中小労働組合におけるリーダー交代の事例研究

― 持続可能な組織承継に求められる要素は何か ―

常深 哲史 (JEC連合)

 日本の民間企業の多くを占める中小企業は、労働組合組織率としては大手企業に対し非常に限定的なものとなっている。中小企業における労働組合組織率の低さには、組織化が難しいだけでなく、労働組合組織の維持にも課題があり、リーダー交代の難しさも一つの要因である。特に非専従役員に対する負担感をはじめとしたいわゆる「なり手不足」によって、役員交代がうまくいかず活動が衰退し、産別組織を脱退したり組織解散に至る事例も発生している。しかしその一方で、様々な外部環境要因の影響も受けながらも着実にリーダーを交代し、次世代へと組織をつないでいる事例もある。

 本研究では、委員長(リーダー)の交代に関わった当事者である前任者・後任者へのインタビュー調査をもとに、個人や組織での対応といった実例を調査することで、組織が持続可能なリーダー承継に求められる要素について整理するとともに、単組および産別組織で準備できる支援について検討した。