新入社員における労働組合への無関心の形成過程

― 自己成長の文脈と労働組合理解の非同期性 ―

長尾 祥太 (情報労連 NTT労働組合東日本本部)

 労働組合をめぐっては、組織率低下や若年層の関与低下が課題とされ、その要因は若年層の理解不足や個人の選好の問題として広く語られてきた。しかし、高い組織率を維持し、組合との接点が比較的整った職場においても、労働組合への関心や理解が十分に形成されているとは限らない。では、なぜ労働組合への無関心が生じるのだろうか。この問いを考えるためには、労働組合に対する認識がどのようなメカニズムで形成されるのかに目を向ける必要がある。本稿では、NTT東日本に勤務する新入社員6名へのインタビューをもとに、入社時点における労働組合理解、加入・未加入判断、配属後の労働経験の意味づけを検討する。とりわけ、配属後の業務経験や若手先輩との相互作用に着目し、新入社員が「働くこと」をどのように理解していくのか、またその過程で労働組合がどのように位置づけられるのかを明らかにする。これにより、労働組合への無関心を、知識不足や接触機会の欠如にとどまらない、就業初期における経験形成の問題として考察する。