男性の育児休業取得促進における労働組合の役割について
―日産労連の実態から考える―
近年、育児休業制度の改正により、柔軟な働き方や経済的支援が強化され、男女ともに仕事と育児を両立しやすい環境整備が進められている。2025年4月からは、従業員数300人超の企業に対して男性の育児休業取得率の公表が義務化され、企業における取得促進の取り組みが一層求められるようになった。しかし、男性の育児休業取得率は上昇している一方で、取得期間は短期間にとどまる傾向がみられ、制度が十分に活用されているとは言い難い。
特に自動車産業では、男性中心の職場文化や生産変動への対応、人員不足などの要因から、男性が長期間の育児休業を取得しづらい状況が存在している。また、取得者の業務を周囲の労働者が補完することで負担が増加するなど、職場全体への影響も課題となっている。こうした課題に対し、労働組合には職場環境改善や負担軽減策を通じて、男性が育児休業を取得しやすい環境を整備する役割が求められる。
本稿では、育児休業制度の歴史的変遷を概観するとともに、自動車産業における実態や筆者が労働組合の1人専従委員長という立場で4人の子供を育てながら育児休業を取得した経験や、会社との共同取り組みにおいて「プラチナくるみん」認定を取得した経験を踏まえながら、男性の育児休業取得促進における労働組合の役割と今後の方向性について考察する。