労働組合専従役員の働き方構造の再編
― 生活上の制約を抱える人が「当然に担える」状態はいかに成立するのか ―
本稿は、労働組合専従役員の働き方が、無制約で活動できることを暗黙の前提としてきた点に着目し、生活上の制約を抱えながらも役員活動を継続しうる運営がいかに成立しているのかを、電力総連加盟の一労働組合を対象とした半構造化インタビュー調査により分析したものである。
分析の結果、従来の夜間・休日を含む長時間の関与と、生活上の制約への対応を各役員が個人内で処理する働き方から、役割分担の柔軟化、情報共有の可視化、ICT活用等を通じて、生活上の制約を抱える者を担い手として含み込み、役員活動の継続を可能にする構造への変化が確認された。
この事例分析は、労働組合役員の働き方の見直しが、個別の配慮措置の追加ではなく組合運営のあり方そのものを問い直す課題であることを示すとともに、担い手確保、ひいては労働組合の持続可能性を考えるうえで重要な示唆を与えるものである。