育児休業および短時間勤務における労働組合の関与

―労使共同の取り組みにおける労働組合の役割―

小山 杏依子 (一般社団法人日本労働者信用基金協会)

 働き方が多様化していることにより、労働者個人が自らのキャリア形成を選択することができるようになってきている。それにより労働者の抱える問題も個別化し、それが労使関係にも顕れる。そのような中では、労使は同じ課題認識を持つことになるが、同じ課題であっても企業の人事部・管理職と労働組合に集まる発言や企業と労働組合の目標は異なる。労働組合は労働者間の違いを認識し、より多くの個人が希望するワーク・ライフ・バランスの実現できる制度や環境の構築に向けた協議などが求められることから、企業と労働組合が互いに持つ情報や目標を共有し、課題解決に向けて労使が一体となって協議をしていくことは極めて重要な意味を持つ。

 本稿は、ろうきんセントラル労働組合が実施した育児休業・子の養育にかかる短時間勤務制度にかかる各種取り組みのうち、2018年に開催した労使共同での育児休職・短時間勤務者向けワークショップの取り組み経過などから成功要因を確認する。そのうえで、コロナ禍以降再開されていない労使共同での育児休職・短時間勤務者向けワークショップの協議内容を比較し、これらを踏まえた、労働組合の役員としての役割について考察する。