本と資料の紹介コーナー

このコーナーでは、労働運動、労働組合の分野で皆さんに読んでいただきたい本と文献を取り上げます。重要と思われる文献については、労働一般、経済社会問題まで広げて紹介していくとともに、連合周辺の刊行物も収録します。
文献の選定には教育文化協会の書評委員会があたっていますが、紹介内容は連合または教育文化協会の主張を必ずしも反映せず、高木郁朗 日本女子大学名誉教授の責任監修で行われています。

2017年11月の紹介本

おすすめ本

  • 首藤若菜著
    『グローバル化のなかの労使関係―自動車産業の国際的再編への戦略―』

    評者:末永太(連合 資料室長)

     本書は、グローバル化する企業活動に対する労使関係のあり方について、国際ルールづくりや国際連帯等、長年すすめられてきた取り組みについて整理するともに、自動車産業を対象に、同じ企業グループであっても利害対立関係にある他国の労働者といった関係を乗り越え、労働組合同士が連帯する可能性について、学術書としてはほとんどはじめて検証した著作である。著者は、立教大学経済学部准教授で、国際労働財団の「アジアにおける労使関係と労働組合の課題」プロジェクトのメンバーである。本書に示されるように、たんねんな聞き取り調査をつうじて、実態と論理、それに改革の方向を描き出す著者の手法には定評がある。

    本文はこちら

    ミネルヴァ書房
    5,500円+税
    2017年2月

議論を深める

  • ヘンリー・ミンツバーグ著/池村千秋訳
    『私たちはどこまで資本主義に従うのか-市場経済には「第3の柱」が必要である-』

    評者:鈴木祥司(生保労連 労働局・政策局局長)

     私たちはとかく政府か市場かの二元論もしくは二項対立的発想に陥りやすい。左右の対立が長く続いた影響もあり、さまざまな課題に直面しながらも、大きな政府か小さな政府か、保守かリベラルかなどに目が行きがちである。
     本書は、こうした二元論の下で埋没してしまっている、いわゆる「中間集団(団体)」(著者は「多元セクター」と呼んでいる)の役割や重要性に光を当てることをねらいとしている。資本主義でも共産主義でも、社会がうまく回るにはバランスが大事であること、そのバランスを取るには政府と市場だけでなく「中間集団」がコミュニティを基盤にしっかりと機能する必要があることが論じられている。中間集団の中には労働組合も入る。そういう意味では、これからの社会における労働組合の役割や可能性を感じさせてくれる貴重な提言にもなっている。
     なお、著者のミンツバーグは経営学者であり、本書のテーマの専門家ではない。にもかかわらず、著者がこうした包括的な社会構想を示したのは、主にアメリカ社会を念頭に、行き過ぎた資本主義、バランスを失った社会に警鐘を鳴らすためである。

    本文はこちら

    ダイヤモンド社
    1,600円+税
    2015年12月
  • 連合とそのまわりの刊行物
    • 1.日本の労働運動100年 
      温故知新 いま原点に立つ 大正元年・友愛会創立から連合結成まで
    • 2.転げ落ちない社会 困窮と孤立をふせぐ制度戦略
    • 3.格差社会への対抗 新・協同組合論
    • 4.「分かち合い」社会の構築-連帯と共助のために
    • 5.非正規労働問題の今後の課題を探る 
      ドイツ、イギリスの非正規労働の実状と労働組合の取り組み~日本への示唆~
    • 6.人間らしい働き方の実現<2017~2018年度経済情勢報告>
    • 7.連合の春闘結果集計データにみる賃上げの実態2017
      -経済社会研究委員会賃金データ検討ワーキング・グループ報告-
    • 8.Rengoアカデミー・マスターコース講義録No.22『労働法の基礎』
    • 9.Rengoアカデミー第16回マスターコース修了論文集
    • 10.第14回「私の提言-『働くことを軸とする安心社会』の実現にむけて-」入賞提言集

これまでの掲載実績

書評委員会委員一覧

文献紹介コーナー(~2008年)


戻る