本と資料の紹介コーナー

このコーナーでは、労働運動、労働組合の分野で皆さんに読んでいただきたい本と文献を取り上げます。重要と思われる文献については、労働一般、経済社会問題まで広げて紹介していくとともに、連合周辺の刊行物も収録します。
文献の選定には教育文化協会の書評委員会があたっていますが、紹介内容は連合または教育文化協会の主張を必ずしも反映せず、高木郁朗 日本女子大学名誉教授の責任監修で行われています。

2018年6月の紹介本

おすすめ本

  • NHK取材班
    『外国人労働者をどう受け入れるか―「安い労働力」から「戦力」へ―』

    評者:末永 太(連合 資料室長)

     日本で働く外国人は、2016年に初めて100万人を超えた。飲食業や建設業など外国人の労働力なくしては、もはや日本の産業は成り立たない状況にある。一方で、外国人労働力の活用がすすむと日本人の雇用が奪われるのではないかと懸念する声もある。本書は、外国人労働者の置かれた厳しい実態を浮き彫りにしたNHKクローズアップ現代の「シリーズ 新たな隣人たち」(2016)を制作したディレクターが、番組をつくるにあたって識者や企業に取材した内容を、書き下ろしたものである。

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    NHK出版新書
    780円+税
    2017年8月
  • エイミー・ディーン、デイビット・レイノルズ
    『地域力をつける労働運動―アメリカでの再興戦略

    評者:柳浦淳史(情報労連 NTT労働組合中央本部 執行委員)

     原著の表題は“A New New Deal(新しいニューディール)”である。1930年代から1940年代にかけて、フランクリン・ルーズベルト大統領がニューディール政策を展開する中、アメリカの労働組合は、社会運動や民主党との協働を通じて、社会保障の充実や政治的影響力の拡大に成功した。アメリカの労働運動にとって、1930年代・1940年代の「ニューディール」は重要な成功体験といえよう。
     1990年代以降、アメリカでは格差が極端に拡大するとともに、労働者の権利や社会的セーフティネットの劣化が進行している。労働運動の指導者・研究者である著者は、この原因について、経済界に対抗しうる唯一の勢力である労働組合が影響力を衰退させたことによるものと指摘している。本書は、アメリカにおける労働運動を活性化させ、暮らしやすい社会を再構築する――すなわち、「新しいニューディール」を成功に導くための、実践的指南書である。

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    かもがわ出版
    2,500円+税
    2017年8月

議論を深める

  • 三谷太一郎著
    『日本の近代とは何であったか ― 問題史的考察』

    評者:照沼光二(連合政治センター事務局次長)

     本書は、我が国が幕末以降、欧州に準拠して試みた近代化の概念と、その中で育まれた政党政治と資本主義、天皇制等の成り立ちを考察した一冊である。
     今年は明治維新150年。折しも国政では、教育勅語や9条を含む憲法改正が取り沙汰されている。また、議会制民主主義の危機とも言うべき事態が起きている。加えて、来年には天皇陛下の退位と皇太子の新天皇即位が控えている。著者が執筆を引き受けたのは2003年のようだが、時宜にかなう発刊となったのは偶然か。
     なお、本書は、各章のタイトルが「~か」と投げかけとなっている。自分の読解力のなさを棚に上げて恐縮だが、全体的に難解な表現が多いこともあり、答えの書いてある終章から読み始めることをおすすめする。

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    岩波新書
    880円+税
    2017年3月
  • 連合とそのまわりの刊行物
    • 1.藩校に学ぶ―日本の教育の原点
    • 2.ものがたり現代労働運動史1巻(1989~1993)―世界と日本の激動の中で
    • 3.壁を壊す 新装版

これまでの掲載実績

書評委員会委員一覧

文献紹介コーナー(~2008年)


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