第21回マスターコース修了論文集

生命保険営業職員のエッセンシャルワーカーとしての役割発揮
― 「心のインフラ」の重要性を考える ―

濱仲 海(生保労連)

<概要>

 生命保険の営業職員は、生保労連約25万組合員の7割を占める規模であり、生命保険事業の中核を担う存在として、全国各地の営業所で地元地域に密着した活動を行っている。
 人口減少・超少子高齢化が進行する中、営業職員の雇用と地域のお客さまを守っていくためには、本業を通じた地域・社会貢献の側面をよりクローズアップする必要がある。特に、物理的な安否確認の側面以上に、心理的な支援を行う「地域にとってなくてはならない存在」である営業職員の「エッセンシャルワーカー」としての役割を明確にすることが重要と考える。
 このような役割を今後一層発揮し、営業職員が安心と働きがいをもって活動していくためには、第一に、お客さまサービス活動を営業職員のボランタリーな活動ではなく本業のなかに正式に位置づけるための制度面の整備、第二に、営業職員の自発的な意識を尊重する形の手当支払い、第三に、営業職員自身の高い職業意識の醸成が必要である。なお、産別の生保労連としては、一つに、産業レベルの労使協議等を含め、継続的に理念を共有し、二つに、個社レベルで締結している自治体等との協定・包括連携協定を産業レベルに拡大して、営業職員のエッセンシャルワーカーとして理解をより広げるべきである。

総目次に戻る