第18回マスターコース修了論文集

建設業労使の活動の在り方
―働き方改革の実現に向けて―

荒木 剛(電力総連・九電工労組)

<概要>

 近年、労働時間に対する考え方は変化している。過去には評価の対象ですらあった長時間労働は今や悪とされ、労働者には短時間で働くことが求められ、企業には短時間で働かせることが求められている。この問題は、働き方改革関連法の成立にも表れているように、産業のみならず日本全体で解決しなければならない問題として注目されており、これからさらに労働人口が減少する我が国においては、喫緊の課題として取り組みが進められている。
 一方で、企業業績を支えていた長時間労働を無くすことは容易ではなく、短時間の労働で従来の業績を維持・発展させるために、これまでと同様かそれ以上の成果を上げなければならない。そのため、生産性の向上やそれに資する技術・技能力の継承、適正な人材確保など様々な観点からの改革が必要となる。
 本論文では、他産業と比べ、長時間労働問題が深刻な建設業をピックアップし、現状認識により課題を把握し、それら課題解決に向けた取り組みを整理するとともに、さらなる推進に向けた活動の在り方を提言する。

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