第18回マスターコース修了論文集

労働団体の政策実現活動
―政治や行政、団体との関係と都条例の成立―

吉田 泰(連合東京)

<概要>

 新たに設立した地域政党などの支持勢力が都議選に勝利し、二元代表制下での統治を進めた小池知事と、多党化が進んだ都議会からなる東京都政において、連合東京(労働団体)が政治や行政と関係を構築し、政策を実現する過程を検証した。政策形成機関において中小企業振興条例の策定を提言し、中小企業経営者や経営者団体と実現に向けて連携・協力し、中小企業振興と働く者の育成・確保に資する条項、PDCAサイクルを回す会議体の設置条項を立案にて組み入れた。都議会においては、各会派の理解と必要な議論を要請したことが実を結び、条例が可決成立した。
 また、政治や行政との関係の中で、連合の構成組織が求めていた都議会での意見書が採択されるなど、他の実現事例を挙げ、今後、労働団体において、政策の実現を目指す上で求められる行動を示し、国政との関係や都議会で進む流動化、選挙スケジュールなどを交えて課題を提起する。

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