第18回マスターコース修了論文集

長時間労働の実態と削減に向けて
-労働組合の果たすべき役割-

岡 悠司(自動車総連 全本田労連)

<概要>

 過労死自殺に関する報道以降、長時間労働や過労死に対する社会的な批判がかつてない高まりをみせている。自動車産業においても、総労働時間は2000時間を超えており、労働時間の削減は進んでいない。各企業において、さまざまな働き方改革に取り組んでいるが、労働時間の削減はなかなか進んでいないのが実態である。政府では労働基準法の改正など、これまでも長時間労働時間是正に向けた施策を進めてきた。「働き方改革実行計画」でも大きな課題とし、時間外労働の上限設定などの法改正が実施されており、「働き方改革」の中で特に労働時間に注目が集まっている。組合員一人ひとりが、職業生活、家庭生活、社会生活における様々な段階や状況に応じて、「仕事」と「仕事以外の活動(家庭・地域・学習等)」のより良いバランスをとり、個々人が安心・納得して働き方を選択できるように長時間労働の是正が必要である。労働時間削減がなかなか進まない要因はどこにあるのか。これまでの労働組合の取り組みはどうだったのかを考察し、今後労働組合としてどう取り組むべきか提言したい。

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