第12回マスターコース修了論文集

トラック運輸労働者の労働条件向上に向けて
― 魅力ある産業に向けた労働組合の役割 ―

小水内 長功(運輸労連 全日通労働組合中央本部)

<論文の概要>

 2011年3月に発生した東日本大震災以降、物流はライフラインとしての重要性や公共性が改めて認識された。特に、トラック運輸産業は、その中心的役割を担っており、我が国の経済活動や国民生活に不可欠なものとなっている。
 生活関連物資をはじめ、私たちの生活に密接な関係にあるトラック運輸産業ではあるが、その重要性や公共性とあわせて、正確性や安全性を強く求められている。
 一方で、トラック運輸産業に従事する労働者の労働条件については、規制緩和にともなう過当競争や荷主企業の物流合理化などの影響により、全産業に比べ低賃金・長時間労働など、就業環境が悪化している。他方、規制緩和による事業主の増加に伴い、過当競争による事業主の一方的な労働条件切り下げに対し、労働者が声を上げられないことが、就業環境の悪化に歯止めをかけられない状況を生みだしている。
 このようなトラック運輸産業の現状と、そこで働く労働者の労働条件の実態を分析した上で、労働組合の取り組みの現状と問題点をふまえながら、魅力ある産業となるよう労働組合がどのような役割をはたすべきか考察をする。

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