第12回マスターコース修了論文集

印刷産業の構造改革期における成果主義の検証
― 印刷産業界でのあるべき成果主義について ―

川尻 聡(印刷労連・凸版印刷労働組合)

<論文の概要>

 構造改革を迫られる日本の産業界において、成果主義はどうあるべきか。
 メディアの多様化やデジタル化が進み、産業構造自体の変化が急務である印刷産業では、職能等級制度において「能力主義」を長らく運用してきたが、近年、特に営業職を中心に「成果主義」制度を導入する傾向にある。
 しかし、文字通り、成果に応じた職能等級制度を運用するにあたり、日本特有の商慣習や受注形態がある中で、等級と能力間でのミスマッチや、若年層と中堅層でのコミュニケーションギャップが生じている。
 果たして「成果主義」は職場で本当の意味で機能しているのであろうか。本稿では、職場での制度運用の実態を洗い出すとともに、モチベーションにつながる真の意味での「成果主義」制度のあり方を、労働組合の立場から検証し、再構築をするための提言をしたい。

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