Rengoアカデミー 第12回マスターコースの概要

目次

  1. マスターコースのアウトライン
  2. 授業プログラム
    前期
    後期
  3. 講義領域・分野と講義科目・時間一覧
  4. 講義科目・講師一覧
  5. ゼミナールの紹介
  6. ゼミナールの進行と課題
  7. 第11回受講生の体験談


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1.マスターコースのアウトライン

 社団法人教育文化協会は、連合運動の発展に資する労働者教育の全体像を構想し、その第一歩として、連合結成10周年を機に、2001年5月、連合運動の次代を担うリーダーの育成を目的に、「Rengoアカデミー・マスターコース」を開講しました。これまでに279名が受講し修了生は現在、それぞれの立場から連合運動の一翼を担い、活躍しています。

 第12回目の今年は、過去11回取り組んだ経験・反省をふまえ、引き続き、受講生出身組織の送り出しやすさと受講生本人の参加しやすさを基本に、[1]講義科目の整理統合と基礎科目の新規開講、特別プログラムの充実、[2]講義科目の前・後期への効果的な配置、[3]ゼミ生同士の自主的な議論・研究に資する自主ゼミ枠の確保に努め、合宿期間を1日短縮するとともに、後期Ⅰ・Ⅱを統合するなど、合宿日程の効果的編成を心がけました。
第12回マスターコース・プログラムのアウトラインは以下のとおりです。会員組織(連合構成組織および加盟組合を含む)、地方連合会からのご参加を期待しています。

視点

◎マスターコースでは、人間・歴史・世界・「場」からのアプローチを重視し、受講者の分析力・構想力の醸成をはかり、問題発見と問題解決の能力向上をめざします。
<注:「場」とは、問題を発見しその解決をはかるときの自分のスタンドポイントのこと>

◎合宿教育をとおして受講生と講師の「人間としての結びつき」を深めます。

年間スケジュール

◎マスターコースは、合宿教育期間と自学・自習期間を組み合わせ1年間で修了します。
◎集中合宿は、前期、後期の2期制です。
前期は、2012年11月18日(日)~11月22日(木)の5日間
(11月23日朝解散)
後期は、2013年5月12日(日)~5月17日(金)の6日間
(5月17日理事長サロン終了後解散)
です。

◎前期終了後から後期開講までの間と、後期終了後から修了論文完成までの間が、自学・自習の期間となります。この期間にはそれぞれ、必修のゼミ合宿を配置しています。
ゼミ合宿では、ゼミ生は自学・自習期間の成果を発表し、ゼミナール担当講師からアドバイスを受け、後期のゼミへ、さらには修了論文へとつなげていきます。
修了論文については随時、担当講師からメール等で個別指導を受けることができます。

◎受講生は、2013年7月5日(金)までに修了論文を提出し、審査に合格して9月中旬に予定している修了式をむかえ、1年間のプログラムを修了します。

講義

◎講義は、講師からの問題提起、GW(グループワーク)、発表などを組み入れておこないます。

◎講義科目は、特別プログラムも含めて22科目です。
 講義時間は、授業60~70分と休憩10分のサイクルが基本ですが、講師の都合によっては、多少、授業時間が長くなったり短くなったりすることがあります。

◎前期の最初の講義、「ニュー連合の役割・行動Ⅰ-労働運動における自己の役割-」では、連合会長からの問題提起、質疑応答のあと、受講生は各自の課題を発表し、会長がコメントします。そして、向こう1年間のプログラムをとおして「自分たちは何ができるのか、何をしなければならないか」受講生同士で議論を深めるなかで考えていきます。

◎後期の最後の講義、「ニュー連合の役割・行動Ⅱ-労働運動における自己の役割-」では、連合事務局長の問題提起、質疑応答の後、受講生は1年間の成果として「自分たちは何ができるのか、何をしなければならないか」を連合運動への「提言」というかたちで事務局長に提起し、事務局長からコメントをもらいます。
そして、全体でディスカッションをおこないます。

ゼミナール

◎受講生は、受講申込みの際に、「考察を深めたい課題」を提出するとともに、5つのゼミナールのなかから希望するゼミを選択します。

◎ゼミナールは、前期3回、前期終了後に1回、後期3回の計7回おこないます。ゼミナールは、1回2時間30分(休憩含む)です。

◎ゼミナールは、5~6名で編成し、担当講師の指導やゼミ生との議論をとおして各自の課題を修了論文に仕上げます。

◎ゼミナール大会(後期4日目)では、受講生が修了論文の構想あるいは骨子を発表し、ほかのゼミ担当講師から講評を受けます。その後のゼミでは、その講評も含めゼミ担当講師から指導を受けます。

募集・受講料

◎募集人員は30名。募集期間は、2012年8月23日(木)~10月18日(木)。

◎受講料は前・後期あわせて20万円。ただし、前期と後期とで各10万円ずつ分割納入することもできます。また、受講料の割引き措置もあります。

合宿期間中の運営

◎合宿生活は、受講生が実行委員会をつくり運営します。
合宿期間中には、連合会長、連合事務局長、教育文化協会理事長との交流、懇談の場を設定しています。

修了

◎修了要件は、前・後期を受講し、修了論文を提出し審査に合格することです。
修了者には、修了証を授与します。


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2.授業プログラム

前期[2012年11月18日(日)~11月22日(木)]

[備考]
[1]開講式直後に、合宿プログラムや合宿生活全般についてオリエンテーションを行う。
[2]「ニュー連合の役割・行動I」では、連合会長の問題提起、グループワークと質疑応答のあと自己の課題を発表しコメントをもらう。
[3]午後の講義終了後、実行委員会のミーティング(M)を行う。
[5]受講生は、11月23日朝解散する。

自学自習期間中(12月から翌年4月までの間)に必修ゼミを2回開催する。そのうち、1回は「ゼミナールⅣ」として連合会館で行う(交通費支給)

後期[2013年5月12日(日)~5月17日(金)]

[備考]
[1]後期スタート時に、修了論文の作成などについてオリエンテーションを行う。
[2]「ゼミナール大会」では、受講生はひとりずつ修了論文の構想・骨子について発表し、他のゼミ担当講師から講評を受ける。
[3]「ニュー連合の役割・行動Ⅱ」では、各自、連合運動への提言を提起し、連合事務局長からコメントをもらい、全体で論議する。
[4]受講生は、5月17日理事長サロン終了後解散する。


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3.講義領域・分野と講義科目・時間一覧

 講義科目は、政策-組織-基礎の3領域、総合戦略-経済産業政策-社会労働政策-組織強化・拡大-組織運営-人間と組織-経済・政治と労働の7分野から編成しています。
講義は、連合の戦略的方向性・課題を大づかみに理解し、連合の一員としての自分の役割・課題を確認することからスタートし、基礎から応用・運動へと、順次ステップアップできるように科目を配置しています。本年度は、これまでの運営経験と受講生のアンケート結果を参照し新たに1科目開講しますが、講義科目と講義時間の見直し、時間配分の適正化などを行い、合宿期間の1日短縮と後期日程を統合することが出来ました。

*印は新設科目

領域 分野 科目(前期、後期) 講義時間
政策 総合戦略 「ニュー連合の役割・行動Ⅰ」(前)
「現代経済・社会政策論」(前)
「ニュー連合の役割・行動Ⅱ」(後)
4時間30分
4時間
4時間30分
経済産業政策 「現代日本経済論」(前) 3時間30分
社会労働政策 「労働者自主福祉の課題」(前)
「人材活用と人事管理の課題」(後)
「現代社会保障論」(前)
「雇用・労使関係の変化と労働法制の課題」(後)
「男女平等参画と労働組合」(後)
4時間30分
3時間30分
3時間30分
4時間
3時間30分
組織 組織強化・拡大 「国際比較から見た日本の労使関係」(後)
「国際労働運動の課題と連合の対応」(後)
「組織強化・拡大の課題と対応」(後)
4時間
3時間30分
4時間
組織運営 「組合経営」(後) 3時間
基礎 人間と組織 「ファシリテーション・トレーニング」(後) 4時間
経済・政治と労働 「労働運動の歴史」(前)
*「経済の見方」(前)
「ジェンダー入門」(前)
「労働法の基礎」(前)
「労使関係の課題」(後)
「現代政治論」(後)
3時間30分
2時間45分
2時間45分
4時間
2時間30分
2時間45分
特別プログラム 論文のまとめ方(前)
ゼミナール大会(後)
1時間
4時間
合計 講義20科目:72時間15分
特別プログラム2科目:5時間
77時間15分
ゼミナール 前期3回+前期終了後1回+後期3回 =17時間30分 総時間 94時間45分
<参考:第11回の講義時間>
講義22科目 特別プログラム4科目 ゼミナール(7回) 総時間
78時間 9時間 17時間30分 104時間30分


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4.講義科目・講師一覧(調整中含む)

*印は新設科目
☆印は特別プログラム
★印はゼミナール
講義日 科目 講師氏名
2012年 「ニュー連合の役割・行動Ⅰ」 古賀伸明 連合会長
中村圭介 東京大学教授


11.18(日)
11.19(月) 「労働運動の歴史」
「労働法の基礎」
★ゼミナールⅠ
高木郁朗 Rengoアカデミー副校長
野川 忍 明治大学法科大学院教授
ゼミナール担当講師
11.20(火) 「現代社会保障論」
*「経済の見方」
☆「論文のまとめ方」
★ゼミナールⅡ
駒村康平 慶応大学教授
大瀧雅之 東京大学教授
高木郁朗 Rengoアカデミー副校長
ゼミナール担当講師
11.21(水) 「労働者自主福祉の課題」
「ジェンダー入門」
★自主ゼミナール
高木郁朗 Rengoアカデミー副校長
中央労福協+労金協会+全労済
金井 郁 埼玉大学准教授
11.22(木) 「現代日本経済論」
「現代経済・社会政策論」
★ゼミナールⅢ
宮崎 徹 早稲田大学講師
井上定彦 島根県立大学名誉教授
ゼミナール担当講師
前期終了後 ★ゼミナールⅣ ゼミナール担当講師
2013年 「労使関係の課題」
「現代政治論」
★ゼミナールⅤ
中村圭介 東京大学教授
民主党議員(調整中)
木村裕士 連合副事務局長
高木郁朗 Rengoアカデミー副校長
ゼミナール担当講師


5.12(日)
5.13(月) 「人材活用と人事管理の課題」
「雇用・労使関係の変化と労働法制の課題」
★自主ゼミナール
橋元秀一 國學院大学教授
毛塚勝利 中央大学教授
5.14(火) 「ファシリテーション・トレーニング」
「組織強化・拡大の課題と対応」
★ゼミナールⅥ
淺野 淳 j.union専務取締役
山根木晴久連合総合組織局長、他
ゼミナール担当講師
5.15(水) 「男女平等参画と労働組合」
☆「ゼミナール大会」
★ゼミナールⅦ
高橋睦子 連合副事務局長
ゼミナール担当講師
ゼミナール担当講師
5.16(木) 「国際労働運動の課題と連合の対応」
「国際比較から見た日本の労使関係」
★自主ゼミナール
桜田高明 ILO理事
田端博邦 東京大学名誉教授
5.17(金) 「組合経営」
「ニュー連合の役割・行動Ⅱ」
連合構成組織リーダー(調整中)
高木郁朗 Rengoアカデミー副校長
南雲弘行 連合事務局長
中村圭介 東京大学教授


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5.ゼミナールの紹介

毛塚ゼミ テーマ:労働法と労働組合 講師:毛塚勝利 中央大学法学部教授
目的 直面する労働問題を素材に、労働法のしくみと課題を理解するとともに、労働組合がどのように問題の解決に取り組み、ワーク・ルールを充実させていくかを考える。
  1. 労働組合にとって労働契約法の制定や紛争処理制度の整備はどんな意味をもつか。
  2. 労働組合は賃金制度の設計と運用にどう対応すべきか。
  3. ワーク・ライフ・バランス政策が今日なぜ重要視されているのか。
  4. 会社の合併・分割、事業譲渡、M&A等に労働組合はどう対応すべきか。
  5. 差別やいじめ、障害者問題等にどのような手法で取り組むべきか。
  6. 派遣法・有期契約法の改正をどうみるか。非正規雇用の均等処遇問題に労働組合はどう対応すべきか。
  7. 労働問題が多様化・多元化・個別化した現在、労働組合はどのように労使関係システムを整備していくべきか。
課題(キーワード) 成果主義/裁量労働/WLB/偽装請負/パートの均等待遇/会社分割/事業譲渡/投資ファンド/雇用差別/間接差別/障害者雇用/高齢者雇用/ハラスメント/過労自殺/メンタルヘルス/労働審判/労働契約法/変更解約告知/労働者代表制度/ステークホルダー民主主義
高木ゼミ テーマ:経済・産業と労働組合 講師:高木郁朗 Rengoアカデミー副校長
目的
  1. 長期にわたるデフレ、グローバル不況、IT化などの技術革新、企業の海外移転、規制改革などの急激な経済環境の変化と政 権交代をともなう政治構造の変化のもとで、雇用と生活の両面で人間的な労働(ディーセントワーク)を実現しうる社会システム と経済・産業・社会政策のあり方を検討する。とくにデフレ経済のもとでの労働組合の活動のあり方について、積極的な論議を行 いたい。
  2. ナショナルセンター、産業別組織、地域組織などの各級の労働組合が経済と社会面で影響力を発揮するための考え方と方法を検討し、個別企業をこえた労働組合の社会的役割を具体的に検討する。
課題(キーワード) 産業構造の変化/社会構造の変化/グローバリゼーション/技術革新/市場万能主義/CSR(企業の社会的責任)/ワークフェア/社会的企業/ディーセントワーク/福祉ミックス/「働くことを軸とする安心社会」/社会的労働運動
田端ゼミ テーマ:経済のグローバル化と労働組合 講師:田端博邦 東京大学名誉教授
目的
  1. 経済のグローバル化は、企業活動の国際化と企業間競争の激化をもたらし、各国において賃金や労働条件に対する下押し圧力をもたらしてきた。そのようなグローバル化がなぜ、そしてどのように起こり、広がったのか、グローバル化現象そのものについての理解を深める。
  2. そうしたグローバル化に対して、労働組合はどのように対応すべきであろうか。現在の労働組合の取り組みと方針を分析し、あるべき方向について考える。
  3. グローバリゼーションに対しては、労働組合の側も、グローバルに対応する必要がある。欧米各国の労働組合や国際組織ITUCの取り組みの状況を分析し、グローバルな労働運動の動向についての理解を深める。
課題(キーワード) グローバリゼーション/生産の海外移転/多国籍企業/グローバル生産システム/BRICs/国際金融市場/世界金融危機/ILO/ディーセントワーク/グローバル・イッシュー/国際労働組合総連合(ITUC)/グローバル・ユニオン/欧州労連(ETUC)
中村ゼミ テーマ:企業・職場と労働組合 講師:中村圭介 東京大学社会科学研究所教授
目的
  1. 競争と能力主義を受け入れた人々が組織する労働組合は、果たして、企業や職場で何をすべきなのか、何ができるのかを考えたいと思う。
  2. 民間部門の多くで、また公共部門でもまだごく限られた例ではあるが、経営参加がおこなわれている。だが、経営、あるいは行政施策についての情報を事前に得るだけが参加ではあるまい。経営参加を通じて、労働組合は何をすべきなのか、何ができるのかを考えたいと思う。
課題(キーワード) 時間外労働/成果主義/非典型雇用/経営参加/労使協議/目標管理/外部人材/行政参加
橋元ゼミ テーマ:企業・職場と労働組合 講師:橋元秀一 國學院大學経済学部教授
目的
  1. 労働組合の原点を確認しつつ、各自の所属する労働組合の特徴を交流することを通じて、改めてそれぞれの労働組合を相対化し客観的に把握する。
  2. それぞれの企業・職場はどのような問題や課題を抱えているのだろうか? 近年、企業や職場に起きている変化をふまえつつ、率直に出し合い交流し合いながら、今日の労働組合が直面している課題とはどのような問題であるのかを考察する。
  3. 組合員にとって、労働組合が魅力的であるとはどのような役割を組合が果たすことであるのかを検討する。組合役員の立場から離れ、一組合員の視点に立ったとき、日々の労働や職場生活において、さらには職業人生を展望した場合、労働組合は、どのような問題や課題を抱えているのだろうか? 労働組合は、そうした問題や課題をどれだけ受け止め、どのように取り組んでいるのか、検討し議論し合う。ゼミでの集団的議論を通じて、新たな視点やヒントを探りたい。
  4. 以上をふまえつつ、理論的視点、歴史的視点、組織構造的視点から、労働組合の現状と課題を明らかにすることが、本ゼミの目的である。
課題(キーワード) 採用/従業員構成/非正規労働者(非典型雇用)/配置/教育訓練/賃金/成果主義/人事考課/労働時間/残業協定/労使協議/経営参加/組合組織構造/組合役員


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6.ゼミナールの進行と課題


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第11回受講生の体験談

 Rengoアカデミーは本当に長く、論文も辛いものでした。9時から昼食を挟んで17時半まで講義、夕食休憩は1時間でその後はすぐにゼミごとの勉強や宿題等、毎日が学習三昧の日々。アカデミーに参加し初めの頃は「こんなハードなスケジュールを組んだ事務局」と「アカデミーに参加をしないかと勧めてくれた上司」を若干恨みました。しかも、これまで論文を書いた事がない私にとって、論文は苦痛でしかなく、しかも「1万字」。到底書ける訳がないと思っていました。
しかし、このハードスケジュールの中でも、21時、22時から始まる懇親会には多くの仲間が連日参加をし、多くの産別や地方連合会の方々との有意義な時間を過ごす事が出来ました。同じ苦労をしているからこそ、懇親会を重ねる度に「仲間意識」が生まれていったのだと思います。そして、このハードスケジュールを乗り越える事が出来たのも仲間がいたからこそであって、このハードスケジュールだったからこその達成感があったのではないか、と感じています。
そして、講義を受けた中で、正直理解出来ない内容の講義もありましたが、多くの講師先生の講義はもちろん、ゼミでの先生との会話で伺った事、ゼミ生同士の会話は自分自身の財産になっていますし、今までなかった視点も生まれました。非常に有意義な時間だったと感じています。
これからRengoアカデミーへの参加の話が来た方、参加を迷っている方がいるのであれば、是非とも参加をして下さい。きっと後悔はしませんよ。
最後になりましたが、講師の先生方、教育文化協会事務局の皆様、Rengoアカデミーへの参加を勧めてくれた上司、そしてなにより共にアカデミーに参加した仲間の皆様に感謝を申し上げます。ありがとうございました。

 Rengoアカデミーの話があった時は、「とうとうこの日がきてしまった」と内心焦りました。通常の業務と育児だけでも奮闘している日々のなか、「果たして時間のやりくりができるのだろうか」、と正直不安がありました。しかし、今まで原則宿泊だったのが、第11回目からは通いもOKと聞き、思いきって受講させて頂くことにしました。
今回通いだったのは、実際私一人だけだったようで、朝9時から夜9時頃(時には更に遅く!)までのハードスケジュール+通いは、普段電車通勤をしない私には体力的にも辛いものがあり、特に6日間もある前期の後半は体がフラフラしたり、夜遅く帰宅する私に幼い娘があたったりと少し大変でした。
ただ、そんな辛さも一気に吹き飛ばしてくれる程、Rengoアカデミーでは素晴らしい講師陣が揃い、気がつけば講義にのめりこんでいる自分がいました。通常の業務では、労働関係諸法に触れることも多く、労働法に関する講義は特に興味深く、大変勉強になりました。また、労働運動の歴史や労使関係、社会保障論など、各講師のキャラクター際立つ独特かつ濃厚な講義により知識の幅が広がり、大変貴重な経験をさせて頂きました。
ゼミでは修了論文作成という同じ目標に向け、皆で意見を出し合い、そしてお互いを激励しながら、進めることができました。ゼミの先生やゼミ生の皆さんも、私の子育て+通いの事情をいつも気遣って下さり、本当に助かりました。また、事務局の方々もいつも時間等配慮して下さり、心より感謝しています。
皆さんのサポートにより、何とか最後まで受講出来ましたが、ゼミの終了時間や開催場所までのアクセス時間等を考えると、育児や介護等と両立している方にとっては、今のままの時間設定では若干難しいかもしれないというのが本音です。そこで、今後のRengoアカデミーへの期待としては、育児や介護と仕事を両立している人やキャリアアップで夜間に学校に通っている人等向けとして、時間設定にもう少し柔軟性を持たせ、9時から17時頃までの「Rengoアカデミーワーク・ライフ・バランス版」等の創設を考えて頂ければということです。折角の素晴らしいカリキュラムなので、柔軟性のある体制を考えて頂ければ一人でも多くの方がRengoアカデミーという貴重な機会を経験できるのではないかと思います。期待しています!

 私が所属する単組は、これまでも積極的にRengoアカデミーに役員を派遣しており、今回は、本部役員に就任したばかりの私が派遣されることになりました。とはいえ、これまで専従役員を10数年経験してきた私にとって、お話を頂いたときは、正直「いまさら私が」という気持ちがありました。しかし、今回Rengoアカデミーに参加して、あらためて自分の不勉強を痛感しました。
Rengoアカデミーでは、すばらしい講師やゼミの先生方から、労働運動の歴史に関することから現在の課題に至るまで、示唆に富んだお話をたくさん聞くことが出来ました。また、講義は、座学だけでなく、様々な課題について、受講生同士のグループ討議やその内容の発表など、より実践的に行われました。それらを通じ、思考力や対話力など、自分の能力を磨くことが出来たのではないかと思っています。
講義と並行して行われるゼミでは、「論文の作成」という大きな目標の達成もさることながら、担当の先生やゼミ生とで行った議論や情報交換などが、自分にとって、大変有益なものとなりました。また、それらが、論文作成のうえで、役立ったことは言うまでもありません。
さて、私がRengoアカデミーで得た大切なものは、講義やゼミで得た知識や体験ばかりでなく、第11回に集まった仲間との「絆」です。日々のゼミ終了後に各ゼミ生が集まって、夜遅くまでいろんなことを語り合う、そこで生まれた「絆」は、私にとってかけがえのないものとなりました。是非、皆さんもRengoアカデミーに参加して、いろんなことを経験して下さい。きっと、何か得られるものがあるはずです。
最後に、今回のRengoアカデミーでお世話になった高木副校長をはじめ諸先生方、田端先生、田端ゼミの皆様、受講生の皆様、教育文化協会のスタッフの皆様に、あらためて心から感謝申し上げます。また、私を快く送り出していただいた組織や職場の皆様にも感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

 自組織よりRengoアカデミーへの参加の話があった時、正直なところ、知識の無い自分が本当に修了できるのか、論文なんて作成できるのだろうか、不安と心配ばかりでした。
そんな状況で、来ました。2011年11月12日(土)の開講式、前期日程が。いきなり5泊6日のスケジュールで、それまでの不安と心配がピークに達していました。当然、当日は、見知らぬ顔ばかり。しかも、みなさん、労働組合の猛者のよう。そんな中、1日目が終わり、2日目から講義がスタートしました。最初は、労働運動の歴史にはじまり、3日目、4日目と過ごしていくと、日本経済の動向や労働者がおかれている状況、労働関連法、労使関係、海外の労働組合など、大変、幅広く、今まで知らなかったことばかりで、学ぶ機会のなかった自分にとっては、本当に貴重な講義となりました。また、時間や日を重ねていくことで、受講生の方々との交流も多く、いつのまにかどっぷりと昼夜問わず、受講生のみなさんとどっぷりRengoアカデミーに浸かっている自分がいました。その後、後期Ⅰ、Ⅱにも自然に入り込むことができました。
また、ゼミでは、修了論文にむけた意見交換や作業が中心でしたが、ゼミ生のみなさん、自分のことのように私の相談にのっていただきましたし、橋元教授も無知な私の発言を決して否定することなく、優しく指南いただき、修了論文の提出間際まで本当に親身になって対応いただきました。そのおかげで、修了論文を作成することは難しかったですが、なんとか、形にして提出することができました。
今回のRengoアカデミーは、多くの方々の講義をつうじて得た知識だけでなく、多くの受講生との交流も私自身の財産となりました。あらためて、ゼミ生の方々をはじめとする受講生のみなさん、最後の最後まで修了論文の作成にお付き合いいただいた橋元教授、こうした場を企画・運営いただいた事務局の皆様、講義をいただいた先生方に、心より感謝申し上げます。

 気にはなってはいるものの、数年間「塩漬け」になっているテーマがありました。一度腰を据えて考えてみたいと思う反面、自分が担当する仕事と直接関係がないこともあり、取り掛かるためのきっかけがつかめないまま、ある意味で無為に過ごしていました。今となっては何が背中を押したのか、はっきりしませんが、とにかく自分で環境をつくらないと、と思い立ち、参加したいと申し出てみました。Rengo アカデミーでは、修了論文の作成が課せられますが、頭を整理し自分の考えを絞り出すにはうってつけと映ったのです。
実際に参加すると、様々な専門分野の集中的な講義が続き、はじめは戸惑いました。考えてみると、長時間じっと座っていることは学生以来のことで、体力的にも知力的にもきつかったのです。それでも、講義は組合運動へのヒントを与え、視野を広げてくれるものだったと言えます。講義を通して、ものの「考え方」に触れられたのは収穫の1つでした。
ゼミナールという形態での運営は、Rengoアカデミーの特色の1つだと思います。毎晩の討論やゼミ合宿では、先生やゼミ生から修了論文を書く上での有益なコメントをもらうことができます。しかし、何よりも素晴らしいのは、言いたいことを言い合ううちに自然と仲間意識が生まれることです。当初はこのようことを期待していませんでしたが、振り返ると、ゼミがなかったら、味気ない研修になってしまっていたかもしれません。
そして修了論文ですが、楽には行きませんでした。途中「こんなことを書いて意味があるのか」と弱気になったり、ロジックで行き詰まり「作文でもいいじゃないか」と一人開き直ることもありました。書き終えて、ようやくスタートに立ったような気持ちですが、挑戦してよかったと思っています。
是非参加して、よき仲間と出会い、自分を再発見してください。


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