埼玉大学「連合寄付講座」

2009年度後期「働くということを考える」講義要録

第6回(11/18)

ワーク・ライフ・バランス
【労働時間管理をふくめ】について考える①
―電機産業職場の取り組み―

ゲストスピーカー:冨高 裕子(電機連合 労協・法規政策部長)

1.はじめに

 本日は、電機産業職場におけるワーク・ライフ・バランスの取り組みということでお話をさせていただきます。
  今までの一連の講義の中で皆さんは、連合や、大きい産別の取り組みについて聞いてこられたと思います。本日は、電機連合の取り組みについて聞いていただければと思っています。
  講義にあたっては、まず、電機連合について簡単に説明したいと思います。そして、電機連合加盟組合の職場の現状と、政策の部分としてワーク・ライフ・バランスを実現するためにどのような取り組みをしているか、ここでは、電機連合が推進している「働き方改革」という具体的な取り組みについて説明したいと思います。時間がありましたら、電機連合の構成組合における具体的な取り組み事例についてもご紹介したいと思います。

2.電機連合の現状

(1)電機連合とは
  電機連合は、電機、電子、情報関連産業が集まった産業別働組合です。1953年6月に結成されました。加盟組合は約700弱、約60万人の組合員がいます。東京の麻布十番にある電機連合本部とさらに、地方組織として、37の地方協議会があります。連合の中核を担う産別として活動しています。

(2)長時間労働の課題
  電機産業において、長時間労働は、昨今の景況に関係なく恒常的な問題として存在しています。そのため、電機連合では、従来より、熱心に長時間労働削減について取り組んできました。その結果として、1990年には、所定労働時間の平均を1800時間台まで引き下げることができました。しかし、残業などの時間外労働を含めた総実労働時間となると、1990年代半ばから増えてきています。また、有給休暇も20日間の年休の取得率は平均15日という状況です。
  この長時間労働が、労働者に与える影響について毎年調査をしていますが、その結果をみますと、時間外労働が増えれば増えるほど体がもたない、心の病いになってしまう不安を感じている人の割合が高くなっています。60~80時間の時間外労働をおこなっている人の8割は体力がもたないと感じ、7割近くが心の病になってしまう不安を感じているということです。このような状況をふまえ、電機連合ではメンタルヘルス対策の取り組みも強化しています。

(3)男女平等参画の実態
  ワーク・ライフ・バランス(以下、WLBと記載)の観点から、男女平等参画の実態がどうなっているかということも大きなポイントです。電機産業の女性の比率は、1990年には21.9%だったのですが、2008年の時点では17%になっています。これは、ITバブルの崩壊が2000年代前半にあったときに、かなりの人数の女性が辞めていることも影響しています。その時に辞めた女性が、パート、アルバイト、あるいは派遣というかたちで、電機産業に戻ってきているということも考えられますが、今は正規社員における女性の比率は減っているという状況です。
  平成18年度の平均年齢は36.8歳で、勤続年数はほぼ15年となっています。厚生労働省が発表した平成18年度の女性一般労働者の平均勤続年数は8.8年なので、電機産業は平均よりも長いということになっています。ただし、女性の管理職比率については、電機連合の加盟組合は、厚生労働省の調査結果(全産業平均)よりも、低い割合になっています。
  また、労働組合においては、2008年には女性組合員は組合員全体の17%でした。そのうち、女性役員の比率は8.2%で、半分にも満たないということです。電機連合の活動を活性化させるために、女性役員の登用に取り組んでいるのですが、現段階ではこのような状況です。
  組合員の勤続年数を男女別でみると、1980年には、男性の勤続年数が11.6年、女性が6.7年ということだったのですが、2008年には、男性が15.7年、女性が14.9年とほぼ同等になってきているという状況です。これにはいろいろな理由が考えられるのですが、電機連合で育児支援などについて積極的に取り組んできたことも影響しているのではないかと思っています。

3.電機連合のワーク・ライフ・バンス実現のための取り組み

 このような状況のなかで、電機連合がワーク・ライフ・バランス実現のためにどのような取り組みをしているのか、根幹のところに入っていきたいと思います。

(1)21世紀生活ビジョン
①ワーク・ライフ・バランスを取り巻く環境変化
  まず、2007年に電機連合「21世紀生活ビジョン」について策定に向けた論議をしています。この時に、私たちは、WLBの実現を取り巻く環境変化について論議を行いました。この環境変化とは、高度経済成長から成熟経済へと変わってきているなかで、モノの豊かさだけではなくて、これからは心の豊かさへと変わっていくべきことや、価値観とライフスタイルの多様化といった生活意識の変化といったことです。
  そして、ビジネス環境の視点からは、グローバル競争や変化のスピードの加速といったようなことが長時間労働に結びつき、心身の負荷が増大してきています。それから、少子化の進展、高齢化と労働力人口の減少というところで、高齢者、女性労働者の就職機会の拡大などの対策をおこなう必要があります。こういった環境変化を踏まえて、私たちは、「心豊かな生活」と「仕事」との調和をとることの必要性を打ち出しました。

②ワーク・ライフ・バランスの実現に向けての考え方
  電機連合では、自分たちが考えるWLBの定義を定めました。それは、「1人ひとりが、自らの望む生き方とライフスタイルを自覚し、家族・職場・企業・地域を含む周囲と調和を図りつつ、自らのライフスタイルを両立し得るワークスタイルを、人生全般にわたって築くこと」です。
  電機連合がめざすWLBを実現するために大事なことは、労働者一人ひとりの意識改革と、WLBの実現が大事という社会的なコンセンサスの確立です。また、一人ひとりの労働者が意識改革をしても、企業の取り組みがなければ、WLBは実現することはできません。ですから、企業による積極的な取り組みの推進が必要です。
  これらのことを大前提として、基本的な労働時間や労働条件にアプローチしています。労働環境の整備をおこない、その上で、多様な働き方をしたいと思ったときに支援するといった、選択可能で多様な社内制度を構築していくこと。それから、一企業や産別では実現しきれない国全体にかかわるような部分といったところは国に働きかけていくこと。こういうような様々な取り組みを総合的に進めていくことで、最終的には電機連合の目指すワーク・ライフ・バランスを実現していこうというのが、取り組み全体のイメージです。

(2)ワーク・ライフ・バランス実現のための5ヵ年プログラム
①5ヵ年プログラムの位置付けとその項目
  電機連合では、以前から労働時間政策に取り組んでおり、2006年に第3次労働時間政策として4つの生活目標を設けました。それは、ウィークディ、週末及び休日、1年、そして生涯の中で、ゆたかな時間を過ごすということをここでうたっています。これと、21世紀新生活ビジョンでうたったワーク・ライフ・バランスの実現をすすめていくための具体的なアクションプログラムが、ワーク・ライフ・バランス5カ年計画プログラムということです。
  このワーク・ライフ・バランス5カ年計画プログラムの中身の特徴ですが、一つは、長時間労働の解消です。電機連合の中では長時間労働が最大の問題となっていて、WLBを実現するためにはどうしても改善しなければなりません。もう一つは、少子高齢化への対応ということで、人口減少社会への対応です。また、企業・労働組合の社会的責任を深化させていかなければいけないということもあります。
  5カ年プログラムを実現するための具体的項目としては、「総実労働時間の短縮」「多様な働き方」「次世代育成支援、介護支援といった両立支援の取り組み」「キャリア開発支援」「社会・地域貢献」の5つがあります。こういったところを項目として取り上げていこうということです。

②5ヵ年プログラムの具体な中身
  しかし、いくら制度をつくっても、企業側の意識、働く側の一人ひとりの意識が醸成されないことには使い物にならないということになります。そういう意味で、このアクションプログラムは、〈制度の創設→春闘での要求→実現〉だけに留まらず、制度を利用しやすい職場風土の醸成と意識改革を同時にやっていこうというものです。これも産別のなかでは新しい取り組みだと思っています。
  そのために、電機連合本部と電機連合加盟の単組との取り組みにおいて役割分担をしています。本部では、①企業内の労使では解決できない全体的な取り組み、②単組が取り組む一人ひとりの意識の改革の支援、③日常活動の支援、④どのような変化が起きているかを把握するために意識改革の進捗状況の把握、といったことについて取り組みます。一方、単組の取り組みは、①制度を利用しやすい職場風土の醸成と意識改革、②多様な働き方に向けた各種制度の整備です。
  そのうえで、電機連合で統一してワーク・ライフ・バランスの取り組みを展開していかなければならないと判断し、春闘のなかで統一闘争として取り組もうということになりました。そこでは、4つのステップに分けてワーク・ライフ・バランスにかかわる制度整備をしています。それと、「政策・制度課題」、さらに、ワーク・ライフ・バランス実現のための一番大きな課題となっている総実労働時間の短縮については、到達目標水準を、①総実労働時間を1800時間程度、②時間外労働時間を150時間以下、③年休を法定20日間は完全に取得、としていくことをアクションプランの中で掲げています。

③5ヵ年プログラムの推進
  電機連合では、WLBについて段階的に制度整備をしていこうということで、各項目に取り組み時期(StepM~Step3)をつけて取り組んでいます。StepMでは、電機連合が要求として取り組んでいる課題で、既に今までの闘争の中で要求はしてきているのだけれども、まだ実現できていない組合のための底上げの取り組みです。主に中小企業の労働組合に向けた取り組みです。たとえば、所定労働時間の1800時間の達成、休日・休暇制度、多目的休暇と合わせて25日の有給休暇の取得、両立支援制度の整備といったことです。育児休暇、育児短時間勤務、介護休業、介護短時間勤務といったことは、法律を上回る取り組みをすでにおこなっています。ただ、取り組めていない組合もありますので、それについては早急の対策が必要です。
  Step1以降は、電機連合がめざすワーク・ライフ・バランスを実現するための新しい取り組みを展開していくためのものとなっています。Step1では、キャリア開発支援や社会・地域貢献のための短時間勤務を早急に実現する課題をあげています。それからStep2の両立支援では、配偶者の転勤を事由とする休職制度など先進的な取り組みをしています。そして、Step3では、再雇用制度を中心とした取り組みがあげられています。
  2008年の春闘では、キャリア開発支援と社会・地域貢献のための短時間勤務を要求しました。実際には、ここの交渉は非常に難しいものとなりました。電機連合では2年に1回、労働協約の整備をするための闘争をおこなうのですが、今はちょうど大手の組合を中心にどういう取り組みをしていくか論議をしているところです。今、電機連合内であがっているのが、労働時間の短縮、連続休暇制度の制度化、家族看護休暇の拡充、配偶者の転勤を事由とする休暇・休職制度、それからキャリア開発支援、社会・地域貢献のための休暇・休職で、これらが2010年の春闘統一闘争の課題として検討している部分です。

④2つの課題
  私が、まだ電機連合傘下の加盟組合にいた2年前に、電機連合でワーク・ライフ・バランス5カ年プログラムが策定され、会社と交渉をしたときに、ワーク・ライフ・バランス実現のためのアクションプランをすすめていくうえでは、2つの課題があると思いました。
  一つは、大手組合を中心とした課題です。特にキャリア開発、社会・地域貢献ということについては、この制度が本当に必要なのかということが潜在的なニーズであるため、まだ会社も組合も取り組みづらかったという部分です。私たちの働く側のワーク・ライフ・バランスに対する意識というものが、両立支援や労働時間の短縮までにとどまっていて、キャリア開発や社会貢献・地域貢献の必要性については、組合の皆さんに浸透していないと感じました。
  そういった意味では、なかなか結果に結びつかなかったという問題が2008年にはありました。また、企業側にも、キャリア開発支援や社会貢献・地域貢献が、雇用や処遇に直接関係しないだろうという感覚があるようです。このため、ここをしっかり制度化していくためには、電機連合が一丸となって横断的に運動をしていくことが必要なわけです。
  もう一つは、中小の企業では、所定労働時間、休暇の部分を含めてまだまだ取り組みができていないということです。大手企業では、ここの取り組みについては、かなり進んでおり、今はどちらかというと意識面での取り組みの重要性が増しているということになっています。ですから、中小企業の労働組合への底上げをしっかりやっていかないと、二極化がますます進んでしまいます。こういうところも、しっかりやっていかなければいけないというということです。
  2つの課題の両方を、同時にやっていくことの難しさはあるのですが、こういうことが、これからのワーク・ライフ・バランスの取り組みのなかで非常に重要になっていくと思います。

⑤総実労働時間短縮に向けた取り組み
  ワーク・ライフ・バランス5カ年プログラムで重要なポイントになるのは、やはり総実労働時間短縮に向けた取り組みということになると思います。電機連合では「到達目標水準」というものを設定していて、その進捗をチェックしています。この到達目標水準は、2007年にスタートしているのですが、スタートの時点では、目標水準に対して、大幅にオーバーしていたのですが、2008年はかなり削減されました。目標水準の1967時間に対して、実態平均は1962時間とほぼ同じとなっています。
  ただし、この削減は、働き方がうまくいってきているという可能性もあるのですが、昨年秋から電機産業では、緊急労務対策がおこなわれてきており、そのなかで、時間割増率が下がったり、実際の残業時間を削減などが徹底して行われていることが、結果的に総実労働時間の削減につながったということも、一方では影響していると思われます。
  したがって、来年春の春闘のテーマとしては、労働時間を元に戻させないようにすることが春闘での重要なポイントとなると思います。そういった意味で、根本的な総実労働時間の短縮をはかるために、組織全体の業務見直しだけにとどまらず、自らの働き方についても、改革を一人ひとりがおこなっていくということも大切ではないかと思います。

3.働き方改革につながるECOワークの推進

(1)ECOワークとは
  労働時間短縮のために、単組が具体的に取り組むための支援策ということで、働き方改革につながるECOワークの推進ということを進めています。
  これは、単純に総実労働時間を短縮することだけでなくて、そこにECO、すなわち環境への働きかけをあわせた取り組みにしていこうという考え方です。「効率的な働き方=Economyワーク」の推進が、そのプロセスで省エネなどの「地球環境に優しい働き方=Ecologyワーク」をも実現する働き方を「ECOワーク」と称し、働き方の見直しに取り組むコンセプトです。これを、働き方改革の施策として推進していこうということです。
  具体的な活動としては、2007年7月に電機連合の定期大会で、ワーク・ライフ・バランス5カ年プログラムを確立し、毎年秋に、組織強化期間という取り組みをおこなっていますが、このなかでECOワークを推進しています。2007年の取り組みとしては、時間外労働の削減と年休取得促進による総実労働時間の短縮です。具体的には、職場巡回や一斉退社日、事業所一斉消灯、年休取得フォローといったことがあげられます。それだけでなく、制度の部分と意識面においても、現在の働き方を点検し、個人レベル・職場レベルでの働き方を改善することや、効率的な働き方があれば、制度として導入することも検討しています。
  2008年は、ECOワークをもっと組合に周知してもらおうということで、ECOワークのシンボルマークを募集したり、ポスターの配布やセミナーの開催などもおこないました。

(2)ECOワークってどんな働き方?
  ECOワークには、これが正解という働き方はなく、いろいろな場面において実践することができます。日常業務では、職場でのコミュニケーションの強化によって、業務の効率化をすることも時間外労働の削減につながると思います。また、会議では、プレゼン資料が膨大になったときに、その資料が本当に必要なのかをしっかり考えるということが紙削減につながります。それから、事前準備時間を削減することで温室効果ガスの排出を削減することにもなります。また、テレビ会議等のツールもあるのだから有効に活用していきましょうということもあります。
  こういう一つひとつの取り組みがECOにつながり、同時に私たち一人ひとりの業務を見直すことになります。このことは、職場を元気にするだけでなく、地球を元気にする活動にもつながるということになります。職場の改善を大きな視点でとらえられるということで、このECOワークを推進しているということです。

(3)なぜECOワークが必要なのか
  私たちは企業人である前に、一市民であるという考えに基づき「自分の働き方が環境にも大きく関わっている」という視点をもって働くことは、これからの社会にとっても重要なことだと考えています。そして、このことは、総実労働時間の短縮にもつながります。
  ECOワークの取り組みは3年目になります。2009年9月~12月をECOワークの取り組み推進月間とし、単組の取り組み項目をいくつかつくりました。この中から、選んで取り組んでもらおうというものです。たとえば、各組合でECOワークディを設け、一斉定時退社、一斉消灯を実施する、全組合が定時後に労使巡回パトロールをする、それから、各種キャンペーンをおこなっていくというものです。
  また、各単組内で、働き方改革につながるECOワークについて討議してもらい、どういったことがECOワークになるのか、ECOワークのためにはどういった取り組みをしていけばいいのかを話し合ってもらうこともしています。その他にも、ECOワークのコンセプトに合う取り組みの実施をしてもらって、11月中に取り組みの報告をしてもらいます。そして、「こういうECOワークもある」ということを広めていきたいと考えています。
  ECOワークのシンボルマークも今年できましたので、これを使って推進していこうということです。

4.今後の課題

 第一に、やはり総実労働時間の短縮ということで、到達目標水準の達成に向けた取り組みです。電機連合としては、1980年代から総実労働時間の短縮については非常に力を入れてきているわけですが、なかなか進んでいません。長時間労働がメンタルヘルスや体力的な問題を引き起こすこということで、長時間労働をなくさなければいけないことは、労使それぞれが一致した意見です。ただ、どういう施策をしていけば総実労働時間が減るのかが、今の電機連合での労使の大きな課題となっています。そのための支援策として、ECOワークを推進しているところです。
  やはり一人ひとりの意識が変わらないと、総実労働時間の短縮ということは進まないと思います。私が出身企業の労働組合にいたときに、次世代育成支援の施策ということで、某組合と一緒にパーティの企画をしたことがあります。すると、いつもは長時間残業している人たちが、ものすごく早く仕事を切り上げていました。この時、早く帰りたいという明確な理由があって、早く帰ろうと思えば、仕事は効率よく終わらせるよう、真剣に考えることができるのかなと思いました。ただ、仕事を早く終わらせた後に何があるか、何をするのかということを明確にみんなに持ってもらうことが、重要なのではないかと感じました。そのために、組合、会社に何ができるのかということは、難しい問題だとは思いますが、それでも産別・加盟組合が組合員一人ひとりの意識の部分に働きかけていき、うまく展開してくかということが、総実労働時間短縮というところに求められるのではないかと思っています。
  第二に、キャリア開発、社会貢献・地域貢献支援の推進ということです。社会貢献・地域貢献については、結果的には会社のためになるというところが、なかなか間接的な部分であって、会社として納得するのがなかなか難しいことになります。また、キャリア開発については、会社も積極的に支援していますが、ただ、会社の考えるキャリア開発支援と、労働組合が考えるキャリア開発支援というところに若干のずれがあります。したがって、ここをどのように会社に働き掛けていく交渉していくかがこれからの課題と考えています。
  第三に、ワーク・ライフ・バランス5カ年プログラムの推進です。2010年が、ちょうどStep2の取り組みということになります。これをどうやって実現していくか、そしてこの5年間をどういうふうにまとめていくかが、今後の課題だと思っています。労働組合が交渉していくのはもちろんのことですが、意識改革への働きかけ、国の政策へのはたらきかけ、といったところで総合的な取り組みをしていくことで、電機連合では、働き方改革を推進し、WLBの実現につなげていきたいと思っています。

 電機産業の中では、長時間労働の取り組みは非常に重要となっています。多くの労使が知恵を絞って、さまざまな取り組みをしています。総実労働時間の短縮は、ワーク・ライフ・バランス実現のための重要課題です。電機連合としても、支援し、運動として統一して取り組んでいくことを進めています。そして、一つひとつの企業が総合的に取り組んでいくということで、電機連合のめざすワークを実現していきたいと思っています。
  課題はまだまだ多いのですが、私たちのめざすワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、構成組合といろいろ相談をしながら、進めていきたいと思っています。今後も、ぜひ注目をしていただきたいと思います。

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