同志社大学「連合寄付講座」

2022年度「働くということ-現代の労働組合」

第6回

男女がともに働きやすい職場づくりに向けた取り組み

ゲストスピーカー:ミライトグループ労働組合・ミライト企業本部 下山 恵史 中央書記長

1. はじめに

 みなさん、こんにちは。ただいまご紹介いただきました、ミライトグループ労働組合・ミライト企業本部で書記長を仰せつかっています下山恵史です。今回、私からは「男女がともに働きやすい職場づくりに向けた取り組み」について、お話ししたいと思います。私どもの職場は男性だらけなのですが、どうすれば女性社員にも気持ちよく働いてもらえるかを追求するために、2020年10月にミライト企業本部・女性委員会を労働組合の活動の中で立ち上げました。その取り組みのほんの一例をみなさんにご紹介したいと思います。まず、今日の目次ですが、最初に自己紹介をします。次に、ミライトってどんな会社なのかをご説明します。3つ目に、皆様へと質問を投げかけたいと思っています。4つ目に女性委員会での女性組合員に向けたアンケートとその回答結果をご紹介したいと思います。その後もう一度、皆様に質問をして、上のアンケートで出てきた女性の投稿意見をご紹介します。その中で、我々労働組合として出来ることを紹介して、最後にみなさんに一言申し上げて、この講義を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。

2. 自己紹介

 私の出身は千葉県・市川市で、年齢は38歳です。今は千葉市で妻と娘2人の4人家族で暮らしています。スライドのレーダーチャートは他の役員に作ってもらい、やる気は十分あります。人と人のコミュニケーションを大切にしており、最近は出来ていないのですが、飲み会は大好きで、交流を持つことを大事にしています。将来の夢は旅行が本当に好きなので、47都道府県を制覇したいと思っているのですが、なかなかGoogle Mapが埋まっていかないのが現状です。性格はせっかちで気が短いので、人に頼るよりも自分でやってしまうタイプなのですが、最近は自分よりも周りの人の方が仕事を終えるのが早いので、どんどん仕事を振っているのですが、ちょくちょく確認してしまうのが悪い癖です。趣味は音楽が本当に大好きで、昔からよく聞いていました。特に英国の音楽が好きで、ビートルズや90年代のオアシスは今でも聞いているくらいです。映画もアニメも好きなのですが、最近はNintendo Switchのマリオカートを娘2人と一緒にして、土日は遊んでいます。また、美味しいお店が大好きです。とても美味しいお店を見つけると、すぐにみんなを連れて行って一緒に食べています。最後に好きな言葉ですが、組合活動はトライアル&エラーです。何事もそうですね。とにかくやってみて、やって失敗。次もまた失敗。たまに成功くらいが丁度良いかなと思っています。正解は無いですが、最適解をどう見つけていくのか、長い長い時間をかけて、時には世代を跨いで取り組んでいくのが労働組合の使命だと思っています。
 私の経歴も簡単にご紹介します。2009年に株式会社ミライトの前身である大明株式会社に入社します。線路部配属と書いていますが、簡単に言いますと、NTT東日本の電話回線やインターネット工事を扱う現場の部門に配属されます。実はこの時、すでに私は25歳になっていました。勉強が好きだったので、1年間浪人をして、その後2年間大学を休み、音楽が好きだったので、その間はバンド活動をしていました。小学校4年生からドラムを習っていたので、非常に上手かったので、つい調子に乗ってアマチュアバンドを組んで、全国旅していました。すでに周りから3年遅れて社会人になったので、周りの先輩や上司に「何でもやります」「どこでも行きます」と常にアピールをしていました。それもあってか、翌年2010年には大明株式会社千葉支店のNTT営業部を担当し、2011年には大明労働組合千葉支部の執行委員として労働組合での業務を担当するようになりました。2012年には会社の合併があり、今の株式会社ミライト発足と同時に、私たち労働組合もミライト企業本部と名前を改めて活動を開始することになります。その後も千葉でNTT営業部を担当しながら、労働組合の方では支部で書記長、2015年には支部の執行委員長を担当するまでになりました。2019年からミライト企業本部・書記長を担当しています。また、書記長となった時から、会社の仕事に区切りをつけて、労働組合の仕事に専念するようになりました。

3. 株式会社ミライトの企業概要

 続いて、ミライトがどんな会社なのかをご紹介します。

ミライトってどんな会社

 創業は1946年で、第二次世界大戦の終戦日から約半年後に、大明工業株式会社という会社が起業しました。後の株式会社ミライトです。そこから76年の時を経て、当時従業員7人、資本金50,000円だった企業が、今では従業員2,716人、資本金56億円のプライム企業にまで発展してきました。離職率が本当に低いことが特徴で、約1%~1.2%ほどです。全国の支店も数多くあります。本社は東京・豊洲なのですが、北は北海道、南は沖縄まで、全国津々浦々支店を構えています。新入社員を含めて社員の希望も聞きながら、人事異動や転勤があります。また、こういう全国企業は都市部と地方部で物価が異なるため、給与が違う可能性がありますが、ミライトは全国同じ給与であることも特徴です。ミライトの主な取引先は通信キャリアで、光通信、5G、通信インフラの工事やメンテナンスを管理監督するのがミライトの仕事になります。このコロナ禍で、みなさんも家から講義を受ける人が多くなったかと思いますが、過去から見てもこの数年は通信に対する需要が高まった時期でもあるので、ミライトは過去最高益を更新中です。つまり、ミライトが日本の通信を作って守るという責任感は益々強まってきていることが言えると思います。こちらは現場の風景です。

5Gアンテナ交換

 左の2つが5Gのアンテナ基地局の交換工事を行う現場です。「バケット」という高所作業車があり、このような作業車を街中で見かけることがあれば、それはミライトが工事を行っています。右の2つがマンホールの中の地下の工事です。「とう道」と呼ばれる地下迷宮があるのですが、東京都内だと総延長が290kmだと言われています。京都の景観条例に関しては、地下に電線や電力線を埋めて景観を良くする工事もミライトがしています。
 また、これは昔の写真なのですが、2011年に起こった東日本大震災の復興の様子も載せています。がれきが残っている中、とにかく通信を復旧させないといけないので、電柱をとにかく立てて、通信ケーブルを敷設し、工事が急ピッチで行われました。全国の作業員がほぼ全員、東北復興のために結集し、災害復旧に取り組みました。電気・水道・ガスと共に、通信は私達の暮らしには無くてはならない存在だと思います。ミライト一同、みなさんの暮らしを守るために昼夜を問わず、工夫と努力に励んでいることをぜひ知っていただけると嬉しいです。

2011年 陸前高田市災害復興

4. 学生への質問とミライト社員に対するアンケート調査の結果

 ここでみなさんに質問をしてみたいと思います。「管理職に就いてみたいですか?」という質問です。管理職に就いてみたいと思う方は?(学生の挙手:それほど、手が上がらず)それほど、いらっしゃらないですかね。ありがとうございます。次のページにありますように、同じ質問を2020年度にミライトの女性社員に尋ねてみました。

 期間としては1か月ほど、全部で35問です。アンケートの対象者196名のうち、133名にご協力いただききました。内訳としては、営業系が34名、技術系が40名、総務系が26名、その他が33名です。では、どのくらいの割合だったのかというと、管理職を「目指している」「多少視野に入れている」が3割ぐらいでした。2020年におけるミライトの状況としては、管理職に占める女性の割合が、たったの2.9%でした。全社員のうち、ミライトの女性社員は全社員のうちで1割ちょっとです。その中で具体的に管理職を目指している方が3割くらいしかいないことになります。職種ごとに見た時には、営業系では約半分ほど、技術系や総務系、その他ではがくっと差が出ています。また年齢別ですと、5年未満の方は約半分です。6年~10年くらいが4割ほど、16年~20年くらいの管理職手前の方は管理職を目指している方が増えています。この結果は、恐らく男性でもそれほど差はないかと思います。問題は次からです。

 今日の寄付講座のテーマに通じるアンケート質問なのですが、「男性と女性の処遇の差を感じますか?」という質問です。これは女性社員に向けてのアンケートなのですが、「男性の方が大きな仕事を任せられる」「資格が取れる」「出世が早い」という質問です。営業系では「どちらともいえない」「あまり感じない」人が7割以上を占めています。技術系や総務系は、処遇の差を感じる傾向になっています。

 次に「仕事と子育ての両立はできていますか?」という質問です。これは営業系で「できている」「できていない」が一番低くなっています。特に総務系は顕著に仕事と育児や子育ての両立が「できている」という結果になっています。もう一つ「産休・育休の取得が、仕事の評価に影響を及ぼしていると感じた事はありますか?」という質問です。実際この時に産休・育休を取得している方、したことがある方が47名いたのですが、営業系は「ある」「たまにある」が67%でした。総務系は89%で子育ての両立は充実している一方、評価や処遇に影響を及ぼしていると感じているようです。

 もう一つ「パワハラ、セクハラ、マタハラなど、職場ハラスメントを受けたこと、感じたことはありますか」ですが、営業系では5割弱でした。一方、技術系や総務系は6割の方がパワハラやセクハラを感じたことがあるようです。

5. アンケート結果から見えたことと労働組合の対応

 ここまで4つのグラフを見てきて、勘の良い方だとわかると思うのですが、同じような光景で、似たような回答傾向が伺えることが分かると思います。「処遇の差を感じますか」「仕事と子育ての両立ができていますか」「パワハラ、セクハラ等を感じた事はありますか」という設問に対して、同じようなグラフ傾向が見て取れました。こちらを見た感じ、我々労働組合としての受け止めは、以下の通りです。

アンケート結果から見えてきたもの

 アンケート結果から見えてきたものですが、職場のハラスメントの実態については、「男女間の処遇差」等のアンケートと重なる傾向が見えてきました。厚生労働省によれば、性別役割分担意識の強い職場ほどハラスメントが発生しやすいということから、残念ながら、ミライトにおいても同様の傾向にありそうです。あってはならないハラスメントの撲滅に向けて、今後、実態調査を含め論議していく必要があると言えます。これは労働組合が会社に提出した文章をそのまま持ってきたのですが、会社にもアンケート結果を見てもらい、どのような対策が必要なのかを、今も会社と論議している最中にあります。
 もう一つ、みなさんに2つ目の質問をしたいと思います。どれも見たことのある職業だと思うのですが、男性と女性のどちらのイメージが強いですか。看護師は男性でしょうか?女性でしょうか?消防士は?キャビンアテンダントは?土木作業員は?保育士は?プログラマーは?(学生がそれぞれ挙手)
 ありがとうございます。今挙手いただいた通り、みなさんの中にも男性がやっているというイメージが強い仕事、女性がやっているというイメージが強い仕事のイメージが無意識に働いているのだと思います。
 続けて、アンケートの最後に設けたフリーの記述欄に投稿された生の声をそのまま紹介します。30代・総務系からのコメントです。

 「同チーム内に育休や時短を取る女性がいても全体の仕事量が減るわけではないため、その人が働けない分は、周囲の社員にしわ寄せが来てしまい、仕事を押しつけられている。生き方は多様であっていいはずにも関わらず、ライフプランも聞かれずに性別が『女性』というだけで、将来は育休を取得し、時短勤務で働くものだと勝手に決めつけられ、『お互い様だから』と言われる。その影響で異動までさせられたこともあり、入社以降ずっと『逆マタハラ』を受けている。また、希望していないのにサポート業務ばかりで、昇格しやすいとされている業務はさせてもらえないため、男性同様の、正規の出世ルートが絶たれているように感じる。これらはすべて『女性であること』が原因となっている。育休や時短制度を拡充させるのであれば、同チームの人が不在時の業務量をカバーするため、カバーする側へのフォローが必要ではないか。それができなければ、子どもを持つ女性たちへの目が厳しくなるのは当然だと思う」

 ここまでの気持ちを投げかけてくれた投稿に対しては、ミライト企業本部としては対応するのが当然です。労働組合の対応としては、以下の通りです。

 「職場において性別役割分担意識が強く働いているように感じます。『お互い様なので育児・介護に伴う時短勤務中の女性のサポートは女性がやるべき』という誤った風潮は、女性同士の軋轢を生むだけでなく、ハラスメントを誘発しやすい環境にあると考えられます。他職場からも同様の意見を頂戴していますので、課題解決に向けて会社側と論議して参ります。」

 ご本人とお話しする機会もあったので、これをしっかりお示しして面談をしました。このような事例も良い例となりますが、我々労働組合の使命は何か、ということを考えるきっかけとなります。2021年2月26日、団体交渉にて女性委員会の意見を会社側に要求しました。ベアや一時金交渉に加えて、女性委員会として要求した項目が、次の2つです。
 1つが、男性社員に対する育児への参画と理解浸透に向けて対応すること。また、次世代育成支援対策推進法に基づく次期計画について情報共有を図ること。2つ目は、各種ハラスメントの撲滅に向けて、実態の把握と情報共有を図ると共に、課題解決に向けて対応するということです。お恥ずかしい話ですが、アンケートを取ったことで、初めて女性の生の声を聞き、初めて労働組合として要求書を出すことができました。さまざまなところで女性活躍について声を聞きますが、ミライトとしてはまだ始まったばかりです。まだまだこれからです。

労働組合ができること

6. 女性委員会のこれまでの主な活動

6-1 女性委員会としての春闘要求
 この1年半でどのような活動を実施してきたのかも、併せてご紹介したいと思います。

女性委員会のこれまでの主な活動

 2022年の2月28日に女性委員会からの春闘要求を3つ提出しています。一つ目が「改正育児・介護休業法をふまえ、育児目的のための休暇取得促進に対する具体的施策を講じること」、二つ目が「治療と仕事の両立支援にむけた環境整備を行うこと。特に長期療養者に対する平等な就業機会確保に向けた制度整備を図ること」、三つ目が「女性が働きやすい環境構築に向けて、生理休暇ならびに失効年休積立制度などの現行利用しづらい制度に向けた制度整備を図ること」です。
 いくつか難しい言葉が出て来ている中の一つとして、「失効年休積立制度」をご説明します。我々には、有給休暇という給与の出る休みが年間で最大20日間与えられています。使用できなかった分は最大40日間分ストックし、ボランティアや育児、産前産後の休暇等に使用できるものです。
 また、改正育児・介護休業法のように国の定める法律が変わったのであれば、会社が対応するのは当たり前だとみなさん感じるかもしれませんが、それはその通りとしても、そのプラスαは必要ないと会社は基本的に考えています。最低限を守ればよいと思っているのです。労働組合としては、まずそれがしっかりと機能しているのかというチェック機能を果たす必要があります。くわえて、プラスαを盛り込むことができるのか、組合員が働きやすい環境を作るために会社側と必要に応じて交渉することも重要です。
 次に仕事と治療についてです。具体的には女性の不妊治療ですね。ミライトの社内でも対象者が増えてきていますので、長期療養者に対する就業機会確保に向けた制度整備も要求を出しています。
 最後に会社側が出した法改正の対応についてです。先ほどもお話しした育児・介護休業法改正については、令和4年4月1日からの施行に対応し、社内規定、育児休業規定、介護休業規定の所要の見直しを行うことを要求しています。概要としては、出産と育児による離職を防ぎ、男女が共に仕事と育児を両立できる社会の実現に向けて、特に男性の育児休業の取得促進をはかる改正育児・介護休業法等が、本年4月1日以降に順次施行されることに対応し、育児休業規定等の一部改正と周知を図り、仕事と育児の両立支援に取り組むということです。中身のポイントとして雇用環境整備、個別の周知、意向確認の義務化を行うことを目的としています。また、育児休業を取得しやすいように、相談窓口を設置していくということです。また、妊娠・出産に関する本人または配偶者の申し出をした労働者に対する個別の周知、意向確認の措置を行うことです。最後に、有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件について緩和を行うということです。
 そもそもみなさんは、育児・介護休業法が改正されたことをご存じですか?ミライトの中でも対応をしていきますが、我々の子会社もしっかり対応する必要があります。その周知や対応についても、我々労働組合として取り組むために、会社側にも協力を仰がなくてはならないと考えています。今年の4月1日には法改正があり、さらに今年の10月1日や来年の4月1日にも育児・介護休業法の改正がやってきます。段階的に少しずつ変わってくるということです。「妊娠・出産を申し出た者への個別の育休制度の周知、休業取得の意向確認の義務化」に対して、我々ミライトが取り組むのは「申出ルールの設定・周知」「育児休業規定・介護休業規定の改正」「労使協定の締結」「研修・相談窓口の周知等の継続実施」です。研修ってどんな内容で、いつ、誰が、誰にということが書かれていないんですね。研修計画を会社はまだ策定中なので、労働組合がしっかりチェック機能を果たしていかなければならないと考えています。

6-2 Webセミナーと交流会の実施
 組合活動をより身近に感じてもらえるように、楽しいイベントも企画して実施してきました。昨年の7月10日、コロナ禍ということもあり、オンラインでのセミナーと交流会を開催しました。タイトルとデザインも含めて「椿―Tsubaki」という機関紙を、初めて女性役員に全て作成してもらいました。素敵なデザインで、個人的にはとても気に入っています。交流会第一部は女性特有のガンについて、講師をWebにお呼びして、壮絶な闘病経験とガン検診の重要性を学んでいただきました。交流会第二部ではZoomを通じて懇談会を実施しました。事前に注文することで、セミナーが始まる頃に各自の自宅におやつボックスを届けてくれるサービスを利用し、全員で食べながらオンライン上で交流しました。いただいた感想は様々でしたが、「楽しい時間でした。開催に至るまでにいろいろ検討頂いたことに感謝申し上げます。コロナの関係もあって、女性同士で繋がる企画も非常に減ってきているので、今後もこういった機会を設けていただくとありがたいです」「私は現場で働いていて、周りに女性がまったくいないので、女性と話すきっかけが持てて非常に楽しく過ごせました」という意見をいただき、第2弾を検討しています。
 また、ミライト企業本部の上部組織である通建連合が主催するスキルアップ学習会を、他の会社担当も加えて、総勢27名が一堂に会して実施しています。懇談会も併せて行っており、「コロナ禍の開催ということで集合での参加に躊躇しましたが、全国から集まったみなさんと交流を深めることができ、参加できて本当に良かったです」「泊りありの研修会は家庭の調整もあり、やはり参加しづらいものがあります。女性の執行委員を増やしていきたい・活動を継続してほしいのであれば、そういった会議の形態についても見直し頂けないでしょうか。またWeb参加であっても、研修会全体の参加、特にグループワークに参加できるようにしてほしいです」という感想をいただいています。我々、研修やセミナーを企画する側も、こういった意見を受け止めて、考慮していかなければならないと考えており、反省点として受け止めています。
 最後に、先ほどお話しした女性委員会のWebセミナーの第2弾を、6月17日に、平日の時間を利用して実施予定です。募集チラシに小さく書いてある通り、当日は「半日組休」、つまり、組合が社員の給与を保障して研修に参加してもらう制度を使います。
 2021年度の全社ストレスチェックの報告を見ると、男性に比べて女性の方が高ストレスの傾向にあったため、労働組合主催で、女性組合員の方々を対象にストレスに関わるセミナーを企画しました。日常生活や普段の業務におけるストレスとの向き合い方について理解を深めていただくと共に、女性組合員同士の交流を目的に開催することにしました。

7. 学生のみなさんへ

 早いもので最後になりますが、みなさんもご存じの通り、こちらのスライドに出ているのは、大リーグ・エンジェルスの大谷翔平選手です。投打二刀流で連日大活躍の報道が入ってきていますね。投げて・打って・守ってと、一人三役を演じながら、昨年もホームラン数トップで先発登板した選手はベーブルース以来、100年ぶりの快挙だそうです。そんな大谷選手にも、少年時代にはこんなエピソードがあったそうです。大谷選手が少年時代に河川敷でチーム練習をしていると、左利きの大谷選手の打球は、ことごとくライト側のネットを超えて川の中に飛んでいってしまっていたそうです。ボールがもったいないので、当時の少年野球チームのコーチは「大谷!お前は全部左に打て。ボールがもったいない」と指示したそうです。非常に素直な大谷少年は、どうすればレフト側に強い打球が打てるかどうか試行錯誤を重ねたそうです。その結果、外角球を捉えたレフト側へのホームランが劇的に増えていったそうです。今、自分が置かれた環境をただ嘆くのではなく、むしろそれらを利用する工夫があって彼の今の大きな飛躍があると見れば、非常に興味深い結果です。私達は今、大きな変化の中にあります。コロナの中で、社会構造が大きく変化してきました。きっとみなさんも「あれができない」「これができない」という辛いことが沢山あったと思います。そして、近いうちに就職活動をして、社会人として人生を歩んでいく方が多いのではないかと思いますが、またそこで大きな変化がやってきます。本日ここにお集りのみなさんも、大いなる飛躍に向けて、羽ばたく準備をしているところですね。結びにはなりますが、「良い会社には良い労働組合が組織されている」と思います。みなさんの労働組合に対するイメージが少しでも好転すれば、私も嬉しく感じます。今後のみなさんの大いなる発展を祈念して、私からの講演を終わりたいと思います。
 ご清聴いただき、誠にありがとうございました。

以 上

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