JILPT「労使関係の現状と展望に関する研究」(61)


労働相談の現状


金子 雅臣
労働ジャーナリスト
A4判/28頁 2006年9月 (社)教育文化協会発行 無料配布


 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)は、前身の日本労働研究機構(JIL)が1994年1月に設置した「労働組合の現状と展望に関する研究会」(略称はビジョン研)を継承・発展させ、「労使関係の現状と展望に関する研究会」(略称はビジョン研で同一)をスタートしました。
(社)教育文化協会は、このたび、独立行政法人労働政策研究・研修機構のご厚意により、引き続き、ビジョン研の研究成果を当協会の会員各位に頒布させていただくことになりました。ご尽力を賜りました皆様方には、この場をお借りいたしまして厚く御礼申し上げます。
本書には、ビジョン研の2006年3月16日報告(2006年8月刊行)を収録しました。なお、番号は、前回からの通し番号としました。どうぞ、ご活用ください。


概要

 労働相談は社会を写す鏡です。相談内容は、その時々の社会経済情勢を色濃く反映するものとなります。昔と今と比べると、相談に訪れる人が「正社員」から「非正規」に、内容も「集団的労使紛争」から「個別的労使紛争」に軸足を移しました。
増加している個別紛争の中味も、従来型の「利益紛争」は影をひそめる一方、損害賠償がらみの「権利紛争」が多発しているのが近年の特徴です。個別労使紛争が「多様化・複雑化」を極めるなか、セクハラやパワハラ、さらに偽装派遣によるトラブルなどは「社会問題」の様相を呈しています。こうしたなか、労働保険未加入者など、「労働法制の枠外」にこぼれ落ちる人たちが急増しています。紛争が複雑化・多様化し、社会問題化するなか、これまでの労働問題の枠組みをいま一度、見直す時期に来ているといえます。社会問題化した労働問題にどう向き合い、どう対処するのか。これが、今後の課題です。



目 次

講師略歴

概要

報告
  1. 労働相談の現状
  2. 個別的労使紛争─東京都のあっせんシステム
  3. 「斡旋(あっせん)システム」の特徴と課題
  4. セクシャル・ハラスメントの最新動向
  5. パワーハラスメント
  6. 個別労使紛争の現状と課題
討議概要

研究会レジュメ

労使関係の現状と展望に関する研究会(ビジョン研)について


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