タイトル

ものがたり戦後労働運動史刊行委員会 編
(社)教育文化協会 発行
四六判/254頁/本体価格1,800円+消費税

連合新書8

労働戦線統一のはじまりからスト権ストへ

第Ⅷ巻は、高度経済成長が終焉を迎える1970年代前半をとりあつかう。総評指導部が55年から15年間続いた太田・岩井ラインから、市川議長、大木事務局長の新体勢へと生まれ変わるなか、ニクソン・ショック、オイル・ショックの発生で経済環境は急激に悪化して経済の停滞とインフレが同時進行していった。それにともない労働組合側では賃上げ要求のためスト闘争が激化し、さらに公労協が国労の国鉄マル生ストをはじめ、スト権奪還のためスト権ストを行うなど、未曾有の争議の時代を迎えるようになった。

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本シリーズの特長

  • 平易で簡潔な記述、ハンディな造本で、いつでもどこでも気軽に読めます。
  • 労働組合運動の歴史を学ぶのに絶好のテキストになります。組合員の学習用に購読をおすすめください。
  • 本シリーズは、本文記述がものがたり風で平易であるだけでなく、各種のコラムを多数織り込んで、資料としても十分な実用性をもつよう工夫しています。
    たとえば前巻までのあらずじ、略年表、各章の概要、人物メモ(主な組合リーダーと学者・政治家など)、用語解説、基礎的な経済統計資料、写真・似顔絵、「残された謎」など、盛りだくさんです。ぜひ一度手にとってご覧ください。

  • 第8巻 表紙 ものがたり戦後労働運動史 Ⅷ 目次

    第42章 ジグザグの道をあゆむ労働戦線統一 
    1 総評、市川・大木体制へ
    (1)難産の新執行部選出
    (2)生活闘争への道 
    2 万国博をめぐって
    3 浅草会談から労働戦線統一世話人会へ
    4 労働組合の公害反対闘争
    (1)公害をめぐる労働4団体の共闘
    (2)川労協の公害告発
    5 日米繊維交渉と全繊同盟
    6 成田空港反対闘争はじまる
    7 全逓労変闘争と宝樹退陣
    (1)発端から井出・宝樹会談へ
    (2)定期大会から臨時中央委員会へ
    8 発起人会成立せず

    第43章 国鉄マル生の攻防  
    1 同盟、福祉ビジョンの策定
    2 ストつづく71春闘・賃闘
    3 鉄鋼労連の時短闘争
    4 南波佐間海員組合長の退任
    5 退潮傾向を強める自民党
    6 国労・動労のマル生反対闘争
    (1)国労・動労の組織動揺
    (2)座して攻撃にさらさせるよりは…
    (3)国労・動労の勝利

    第44章 22単産会議の成立と挫折(1)
    1 2つのニクソン・ショック
    2 22単産会議の発足
    (1)労働4団体共闘
    (2)交錯する幹部のうごき
    (3)同盟の新体制と態度変化
    (4)17単産会議から22単産会議へ
    3 造船重機労連の成立
    4 交運ゼネスト1年目の72春闘春闘
    (1)サンクレメンテ会談
    (2)72春闘構想
    (3)全交運・公労協統一スト
    5 沖縄の祖国復帰
    6 22単産会議をめぐって
    (1)市川発言
    (2)最初の22単産会議
    (3)総評7方針と見切り発車論
    (4)清田メモ
    7 自動車総連の成立

    第45章 22単産会議の成立と挫折(Ⅱ) 
    1 田中内閣の成立と師走総選挙
    2 清田メモをめぐって
    (1)民間協議会の年内発足断念
    (2)決裂回避
    (3)ふたたび暗礁へ
    3 4大公害裁判の判決
    4 73春闘と文運ゼネスト
    (1)変動相場制への移行
    (2)73春闘構想と同盟の新長期賃金計画
    (3)最初のスト権スト
    (4)上尾暴動と3月段階の春闘行動
    (5)年金統一スト
    (6)交運ゼネストと村政府交渉
    5 田中首相、小選挙区制を断念 
    6 22単産会議の解散

    第46章 第1次オイル・ショック
    1 民間労組共同行動会議
    (1)総評、中立労連の態度
    (2)化学労協の発足
    (3)民間労組共同行動会議の発足
    2 第1次オイル・ショックの到来
    3 多国籍企業と労働組合
    4 74国民春闘の展開
    (1)国民春闘の提起
    (2)4団体共闘
    (3)3・1スト
    (4)春闘史上最大のストライキ
    5 動労の内部抗争
    6 74参議院選挙
    7 日教組への弾圧と「教師聖職論」
    8 大阪総評の共産党糾弾共闘

    第47章 スト権ストヘ
    1 田中から三木へ
    2 日本型所得政策への道
    (1)日経連のガイドライン
    (2)賃上げ自粛論の登場
    (3)雇用か、賃上げか
    3 75春闘をめぐって
    (1)春闘共闘とIMF・JC
    (2)最低賃金制をめぐって
    (3)IMF・JC4単産の決着
    (4)統一地方選挙とベトナム戦争の終結
    (5)75春闘終盤
    (6)ゼンセン同盟の統一闘争
    4 「スト権スト」の結末
    (1)条件つきスト権付与論対経営形態変更論
    (2)せめぎあい
    (3)スト前夜
    (4)スト権ストヘの突入
    (5)スト権ストの終了