ものがたり戦後労働運動史刊行委員会 編
(社)教育文化協会 発行
四六判/256頁/本体価格1,800円+消費税

連合新書7

ベトナム戦争と65年不況から70年闘争の挫折へ

第7巻は1965年から1970年を振り返る。この時期は、ベトナム戦争が混迷の度合いを強めるなかで、労働運動も国際反戦運動の影響を強く受けた。また国内では不況による企業再編のとともに労組側の脱退・分裂が続いたが、宝樹論文が発表されて、再び労線統一論争が活発となった。そして60年代の後半には、学生らによる新左翼運動が高まりをみせて「70年安保闘争」が始まり、日本は再び激動の時代へと突入した。

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本シリーズの特長

  • 平易で簡潔な記述、ハンディな造本で、いつでもどこでも気軽に読めます。
  • 労働組合運動の歴史を学ぶのに絶好のテキストになります。組合員の学習用に購読をおすすめください。
  • 本シリーズは、本文記述がものがたり風で平易であるだけでなく、各種のコラムを多数織り込んで、資料としても十分な実用性をもつよう工夫しています。
    たとえば前巻までのあらずじ、略年表、各章の概要、人物メモ(主な組合リーダーと学者・政治家など)、用語解説、基礎的な経済統計資料、写真・似顔絵、「残された謎」など、盛りだくさんです。ぜひ一度手にとってご覧ください。

  • 第7巻 表紙 ものがたり戦後労働運動史 Ⅶ 目次
    第37章 ベトナム戦争と65年不況
    1 ベトナム戦争の拡大
    2 ドライヤー提案からIL087号条約批准へ
    3 不況のなかの65年春闘
    (1)「転型期」論
    (2)2つの『賃金白書』
    (3)高原闘争と全電通
    (4)調整年金制度をめぐって 
    4 参議院選挙と出直し都議会選挙 
    5 総評大会の論戦
    6 国際舞台上での総評と同盟
    (1)同盟の国際自由労連加盟
    (2)賃金センターの設立
    (3)中ソ対立と総評の国際方針
    (4)中国文革はじまる
    7 日韓闘争
    第38章 企業再編成の進行のなかで
    1 海員争議
    2 鉄鋼労連と全会同盟のIMF・JC加盟
    3 不況感のもとでの66春闘
    (1)合化労連、ふたたび先頭に
    (2)公労協の内部対立
    (3)松下電器の仕事別賃金
    4 企業再編成と組織問題
    (1)三菱3重工の合併と労働組合
    (2)全会プリンス白工支部の崩壊
    (3)東洋高圧の分裂
    5 山谷と釜ヶ崎
    6 総評・太田議長の退任
    (1)都知事選をめぐって
    (2)岩井・宝樹の論争
    (3)総評大会の論議
    7 労働組合組織の動向
    (1)ナショナルセンター別の組織動向
    (2)総評の組織対策と民間単産会議
    (3)同盟の組織方針と全国民連
    (4)中立労連の動揺
    (5)化学労働戦線の再編
    (6)全ト労連の成立、全日赤労組の分裂
    第39章 労働戦線統一の胎動
    1 10・21ベトナム反戦スト
    2 全逓中郵判決
    3 「黒い霧」解散・総選挙
    4 最初の宝樹論文
    5 JC春闘
    6 美濃部東京都知事誕生
     7 往々木と西尾の退陣
    (1)西村委員長の誕生
    (2)1年生代議土の反乱
    8 太田、岩井、宝樹、宮田、原口の論戦
    第40章 街頭と学園での新左翼
    1 激動のはじまり
    (1)第1次羽田事件と1O・21国際反戦デー
    (2)佐藤訪米と日米共同声明
    (3)沖縄の祖国復帰闘争と労働運動
    (4)エンタープライズ寄港反対闘争
    2 1968年の世界と日本
    (1)テト攻勢、プラハの春、パリ5月革命
    (2)全共闘運動の展開
    3 68春闘の展開
    (1)前年プラス・アルファー
    (2)同盟の長期賃金計画
    (3)国労の5万人反合理化闘争と
    現場協議制度
    (4)全繊同盟の時短闘争
    (5)地域最低賃金制度
    4 参議院選挙での社会党の敗北
    5 地方民労懇と労問研
    (1)民間労組の地方別結集
    (2)再度の宝樹論文と総評大会の論議
    (3)労問研の発足
    6 公明党の労働組合結成構想
    7 商業労連の結成
    第41章70年闘争の挫折
    1 沖縄・屋良主席の誕生
    2 反安保全国実行委員会の結成と
    3年目の10・21反戦デー
    3 沖縄2・4ゼネストの中止
    4 高額賃上げの69年春闘
    5 沖縄デーから都議会選挙へ
    6 総評の15大要求
    7 佐藤訪米と沖縄返還協定
    8 社会党惨敗の総選挙
    9 民間先行労働戦線統一のはじまり
    (1)大阪民労協
    (2)宝樹論文と滝田論文
    (3)全民懇と労働組合主義
    10 70年春闘
    11 堀井・岩井の辞任
    (1)70年4~6月闘争
    (2)堀井・岩井の辞任