第14回マスターコース修了論文集

会社分割後に単一労働組合を維持した
労働組合における経営協議の意義と課題

小川 直人(電力総連 東京電力労働組合)

<概要>

 電力システム改革により東京電力株式会社(以下、東京電力)は分社化し、東京電力ホールディングスと3つの基幹事業会社に移行した一方で、東京電力労働組合(以下、東電労組)は単一労働組合を維持している。
 会社分割後も東京電力全体で福島第一原子力発電所の事故の責任を果たしていく必要があり、基本的に同一労働条件を前提とする包括同意が得られていることなどから、労働条件については、単一労働組合である東電労組が東京電力ホールディングス及び3つの基幹事業会社に対し会社分割以前と同様の対応を担っている。
 しかしながら、経営協議については法的分離や行為規制によってこれまでと同様の対応が難しくなると想定される。
 こういった状況のなかで、東電労組がこれまできめ細かく対応してきた経営協議について今後果たすべき役割と意義について考察する。

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