第14回マスターコース修了論文集

運輸業界におけるワーク・ライフ・バランスの実現
-宅配ドライバーのシフト勤務による時間外労働の削減可能性への検討-

富樫 英里(運輸労連・ヤマト運輸労働組合)

<論文の概要>

 労働力人口が減少する中で、トラック運輸産業においても労働力不足が懸念されている。公益社団法人鉄道貨物協会の「平成25年度本部委員会報告書」によると、2019年には10万人以上のドライバーが不足をすると試算されており、取り扱う貨物があっても「運ぶ人がいない」といった状況の中で、市場の混乱はもとより、国民生活や経済活動を支えきれない状況が目前に迫ってきている。
 このような状況の中で、長時間労働が常態化しているトラック運輸業界では、ワーク・ライフ・バランスの取り組みがなかなか浸透できないのが課題となっている。
 本論文では、運輸業界の特徴でもある長時間労働の実態を明らかにし、宅配ドライバーにおいて時間外労働の削減可能性について考察を行うものとする。また、労働組合として、どのように社員の生活時間を確保するのか、どうやって長時間労働の体質を改善させるのかを考えてみたい。

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