第14回マスターコース修了論文集

これからの労働者協同組合 (共済事業)にもとめられるもの
-ヨーロッパでの取り組みを手掛かりとして-

鈴木 毅(全国労働者共済生活協同組合連合)

<論文の概要>

 現在私は全労済の職員として、労働組合を中心とする職域市場に対して、共済事業の加入拡大に関わる業務を担当しているが、今後国内の労働者人口が減少していく中で、また、労働組合組織率が減少していく中で、労働者福祉事業としての共済運動や社会サービスをいかに展開し、拡大していくのかをこの機会に考えていきたいと思う。
 そのために、まず、労働組合活動の中で労働者自主福祉とは何なのかを意識しながら、わが国の共済事業の現状とヨーロッパにおける共済事業の取り組みを検討した。そして、ヨーロッパの協同組合の取り組みを手掛かりにしながら、さまざまな法律上の制約はあるものの、日本国内の協同組合で実現可能な課題は何かを考察した。
 具体的には、現金給付と現物給付をセットにして介護保障を取り扱うことである。その仕組みとしては、介護共済に特約として現物給付の介護保障をセットで販売することを提言する。要介護状態になった際、以降は介護共済の主の部分から日常生活の費用を、特約部分から現物給付(サービス)を提供してもらうというものである。

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