装置産業で働く女性の現状と課題

-セメント製造の現場から-

畠中 智香子 (JEC連合 組織局 局員)

概要

 我が国の少子高齢化による人口減少社会を背景に「労働力の確保」が重要な課題となっている。人手不足や女性活躍推進法の施行を背景に、女性の職域は着実に拡大し就業者数も順調に増加している。その一方で製造業、中でも装置産業の製造現場で働く女性労働者は、就業者数も少なくマイノリティな存在である。

 本稿では、装置産業の製造現場で働く女性に焦点をあて、女性就業を阻んできた要因、女性労働力活用を推進した背景を分析する。さらにインタビュー調査を通じて、製造現場の女性就業者から、入社動機やワーク・ライフ・バランスとの兼ね合い、職場環境などについて聞き取りを行い、就業継続に対する課題を抽出する。さらに男性の上司に対し、女性が新たな職域に参入することによる既存職場の変化や教育体制、職場環境や社内制度の整備などについてインタビューや労働組合の関りについてまとめる。

 装置産業の製造現場で働く女性たちの実態について検証をおこない、今後の製造現場における女性活躍の一助としたい。