労働組合への参画意識向上に向けて

― 職場会の実態から考える ―

吉田 久男 (情報労連 KDDI労働組合 中央執行委員)

概要

 近年、KDDI労働組合においては、組合活動に積極的に関与する組合員の数が限られており、組合活動への参画意識の向上が重要な課題となっている。本研究では、参画意識の向上には日常的な組合員との関係構築が大きく影響すると仮定し、KDDI労働組合が組合員との接点として重視している「職場会」(年に3~4回開催される執行委員と組合員の意見交換の場)に着目する。職場会の役割とその効果を明らかにすることで、組合員の関与意識の向上に資する方策を探り、その内容を職場会ガイドラインとして作成、配布することを提言する。

 組合活動への参画を図る指標として、KDDI労働組合が2年毎に行っている「組合員意識調査」の結果を用いることとする。2022年度~2024年度の結果では支部により回答率や回答内容の変化に差が出ていることから大きく改善している支部に着目する。その支部における職場会の参加率等定量的な実績に加え、実際に職場会を行っている支部執行委員へのインタビューを行い、組合員の関与意識の向上に資する取り組みを明らかにする。