多様化する働き方の課題に対するユニオンリーダーの役割
~ホワイトカラーのテレワーク課題への具体事例を通して~
概要
働き方の多様化が進む中、特にホワイトカラー層においては、テレワークや副業など新たな働き方に関する制度の導入をめぐり、労使協議の機会が増加している。これらの制度は、従来の賃金引き上げ交渉のように対立点が明確なテーマとは異なり、多くの場合で労使間における大枠の課題認識は共有されている。そのため、労使が向き合うべき課題の性質や、協議におけるアプローチも従来とは異なるものへと変化してきている。
このように、労使で取り上げられるテーマや議論のあり方が変化するなか、労働組合側の従来の手法やスキルだけでは十分に対応しきれない場面も増えてきていると考えられる。
本稿では、特にホワイトカラー層に広がりを見せるテレワークを題材とし、その導入・運用に関する労使協議の実例をもとに、労働組合がどのようなアプローチをとっているのかを検討する。そのうえで、これからのユニオンリーダーに求められるスキルについて考察を行う。