ものがたり戦後労働運動史刊行委員会 編
(社)教育文化協会 発行
四六判/272頁/本体価格1,800円+消費税
連合新書9
政策推進労組会議の成立から統一準備会へ
日本が景気の低迷から脱出しようとしていた1976年2月、ロッキード事件が発覚する。この時期に「新しい日本を考える会」が発足し、同年10月には民間労組協働行動会議が政策の限定共闘師組織として構成組織を拡大させた。労働戦線統一への一段階を画する、政策推進労組会議の成立である。一度は合意した労働4団体共闘は、同盟、中立労連、新産別の社会党と総評を厳しく批判し、雇用をめぐって挫折する。
総評結成30周年の記念大会が行われた1980年、6人の民間単産代表は「統一推進会」を発足させ、ひろい範囲の課題について論議することを確認した。統一推進会」は紆余曲折を経ながらも、労働戦線の「統一準備会」へと進展していく。
70年代後半から80年代初頭までの労働戦線統一問題を克明に描く第9巻刊行。
本シリーズをもうお読みですか――
本シリーズの特長
平易で簡潔な記述、ハンディな造本で、いつでもどこでも気軽に読めます。
労働組合運動の歴史を学ぶのに絶好のテキストになります。組合員の学習用に購読をおすすめください。
本シリーズは、本文記述がものがたり風で平易であるだけでなく、各種のコラムを多数織り込んで、資料としても十分な実用性をもつよう工夫しています。
たとえば前巻までのあらずじ、略年表、各章の概要、人物メモ(主な組合リーダーと学者・政治家など)、用語解説、基礎的な経済統計資料、写真・似顔絵、「残された謎」など、盛りだくさんです。ぜひ一度手にとってご覧ください。 |
|
ものがたり戦後労働運動史 Ⅸ 目次 |
第48章 政策推進労組会議の成立
1 |
減量経営、輸出主導型成長、ロッキード事件 |
2 |
202億円損害賠償請求訴訟 |
3 |
低成長下の賃上げと制度政策闘争
(1)国民春闘構想と生涯生活ビジョン
(2)日経連のガイドゾーンをめぐって
(3)雇用をめぐる労働4団体共闘
(4)金属労協の4単産集中決戦 |
4 |
日教組の主任制反対闘争 |
5 |
海員組合の「共産党候補」推せん |
6 |
総評指導部の「官・官コンビ」 |
7 |
政策推進労組会議の結成 |
第49章 労働4団体共闘の挫折
1 |
76総選挙と福田内閣 |
2 |
77春闘をめぐるかけひき
(1)国民春闘会議と民間賃闘会議
(2)4団体共闘と政策推進労組会議の対政府
(3)合意基準と春闘の決着 |
3 |
社会党内の紛争
(1)社会民主連合の成立
(2)77年参議院選挙
(3)協会・反協会抗争
(4)飛鳥田新体制 |
4 |
総評の新方針 |
5 |
化学エネルギー労協の結成 |
6 |
参加をめぐる論議 |
7 |
国労、民主的規制の方針 |
8 |
雇用をめぐる4団体共闘の挫折 |
第50章 総評の路線転換
1 |
低下する労働組合組織率 |
2 |
同盟の新統一条件 |
3 |
78春闘・賃闘
(1)円高経済
(2)12%と15%の要求
(3)JC同額決着ならず
(4)私鉄総連、カベを破れず |
4 |
総評国際路線の転換 |
5 |
労働戦線統一の再胎動 |
6 |
化学総連の結成 |
7 |
全逓の反マル生闘争 |
|
第51章 4団体共闘と単産連合
1 |
大平内閣成立 |
2 |
平穏な79春闘 |
3 |
総連合の結成 |
4 |
革新都政の崩壊 |
5 |
東京サミット |
6 |
「統一を進める会」の提唱 |
7 |
触媒としての総連合 |
8 |
自民党大敗の総選挙 |
9 |
総連合と同盟のギクシャクと総評の国際自由労連加盟問題 |
10 |
社・公の政権協議 |
11 |
統一労組懇の台頭 |
12 |
鉄鋼労連と私鉄総連の定年延長 |
13 |
佐世保労愛会の近代化闘争 |
14 |
同盟、宇佐美・田中新体制 |
15 |
80春闘、民間ブリッジ共闘の成立 |
16 |
総連合と6人委員会 |
17 |
政治の逆転、衆・参同時選挙 |
第52章 統一推進会から統一準備会へ
1 |
統一推進会の成立にむけて |
2 |
都教組の統一労組懇加盟 |
3 |
総評結成30周年 |
4 |
単産大会における新しい動向 |
5 |
統一推進会の発足 |
6 |
ポーランド「連帯」労組 |
7 |
81春闘 |
8 |
第2臨調の発足 |
9 |
統一推進会の「基本構想」 |
10 |
総評、半年間の苦悶
(1)総評5項目補強見解
(2)総評3顧問の要請書
(3)最後の1ヵ月 |
11 |
統一準備会の発足 |
|