第8回ILEC 幸せさがし文化展
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写真の部
連合大賞(1名)
ばあちゃんは上手 浅山 昇 三重県
ILEC大賞(1名)
願いよ届け 田中 廣子 退職者連合(元クラレ労組)
シニア特別賞(1名)
秋日 宮澤 安夫 長野県
ジュニア特別賞(1名)
じいちゃんばあちゃんのえがお 山中 蓮温 退職者連合(クラレ労組OB家族)
秀作(5名)  作品一覧
幼なじみ 松林 宏樹 JEC連合(石原産業労組)
佳き日 三ッ石不二夫 退職者連合(川崎重工坂出OB会)
恋の季節 佐藤 哲夫 自治労(東京交通労組)
仲よし 小泉 通 三重県
先生ありがとう 浅岡 由次 愛知県
入選(10名) 作品一覧
これはデカィ 逃さないぞ 五十嵐清光 秋田県
パパ~ 斎藤 雄宰睦 岡山県
ママの勝ち ゆうタロ 熊本県
別れの日 三木 雅也 自治労(観音寺市職員労組)
家族の幸せ 高橋 正仁 山梨県
春うらら 百﨑 礼治 退職者連合(福岡県職員労組OB)
後継者 小林 優 茨城県
田のある風景 山本 昌司 JP労組(香川中央支部)
外国からの白い天使 ANDI 大阪府
島の少年たち 香月 常治 福岡県
特別審査員賞(3名) 作品一覧
一ヶ月 ふく UAゼンセン(クラレ労組)
あの夏あの仲間を忘れない KEISUKE 情報労連(NTT労組家族)
キラキラ 晃央 全電線(菱星尼崎電線労組)

写真の部

木村惠一

日本写真家協会名誉会員

 隔年ごとに行われる「連合・ILEC幸せさがし文化展」も今年で9回目を迎えることになりました。5部門のうち写真に応募される方は回を重ねるごとに多くなり、今回は465点もの作品が応募されました。第一回目以来しばらくの間はデジタル写真は開発されたばかりで、現在のように一般化はしていませんので応募作品は全てフィルムカメラで撮影した作品のみでした。デジタルカメラが現在のようなかたちで世の中に出はじめたのは1990年代の中頃からでした。当初は一眼レフカメラの価格が一台40万円近くもし、90年代末に発売されたカメラは何と80万円もする超高価なものもありました。それが僅か15年の間にデジタルカメラは進歩を続け、今やカメラのみに止まらずデジタル映像はコミニュケーションツールとして急速に発展を続け、スマートホーンやその他のデジタル機器で誰でもいつでもどこでも簡単に映像を手に入れられるようになりました。しかし便利な反面困ったことも起きてきました。デジタル映像が容易に手に入るようになると、映像をプリントして記録保存するというフィルム時代の長い年月をかけてつくり上げてきた習慣が徐々に薄れてきてしまっていることです。例えば写真の原点とも言うべき大切な家族の記念写真のようなものをデジタル機器で撮影し、プリントして写真という形で残さず映像コンテンツとして機器に記憶させるだけで終わらせてしまう時代になってきました。デジタルで記録保存するためには充分に計算のうえで保存を考えないと、何か起ったときには総てが消え去ってしまう危険があることを考えなければならない時代なのです。
 今年の連合大賞は浅山昇さんの「ばあちゃんは上手」を選びました。冬の畑で祖母と一緒に凧あげをしている光景を撮影したものですが、祖母の凧は糸の角度をみると楽々と上がっているのに、孫の凧はどうやら大地に落ちて失敗したようです。祖母と孫の姿を凧上げという日本の伝統の遊びの文化を通して三世代の家族が楽しくくらしているであろうことを想像させる雰囲気を上手なフレーミングと優れたシャッターチャンスで捉えたことを評価しました。
 ILEC大賞は田中廣子さんの「願いよ届け」です。岡山のランタン祭りのひとこまですが、陽の落ちた夕空に向ってランタンを願いをこめて放とうとする直前の姿を幻想的な画面で捉えました。デジタル写真ならではの上手な写真表現として評価しました。
 2年後の「連合・ILEC幸せさがし文化展」の写真作品で、またお会いできることを楽しみにしています。




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